グーグル新型スマホ「独自AI半導体」が示す大進化 AIをフル活用し写真加工や翻訳の機能が向上

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6 Proの価格は128GBのストレージを搭載したモデルで11万6600円と、9月に発売されたiPhone 13 Proの128GBモデルの12万2800円を下回る。性能の単純比較はできないが、ハイエンドモデルとしてある程度の価格での勝負に出たといえる。

これまでピクセルの展開地域は13カ国にとどまっており、世界のスマートフォン市場でのシェアは1%に満たない。グーグルはスマホ市場の中で周回遅れの状態だ。

今回の価格についてラマチャンドラン氏は、「6シリーズでピクセルのビジネスを何倍にも拡大したいという意思の表れだ」と話し、「今後はピクセルブランドを築くためにアグレッシブに(マーケティング)投資をする。われわれはハードウェアビジネスを一から始めたために時間がかかったが、来年にかけて展開地域を増やすなど野心的な計画をもっている」と強調した。

グーグルのスマートウォッチも投入か

日本はピクセルの売り上げで世界トップ3に入る市場で、今後拡大する方針だ。発売当初は5Gの周波数帯の対応がKDDIとソフトバンクのみだが、今後はソフトウェアアップデートによりNTTドコモなど他社にも対応するという。「ラテン言語ではない日本語への対応は手間がかかるが、(機能のカスタマイズとしては日本語対応の)優先順位が高い」(ラマチャンドラン氏)。

グーグルは検索やマップ、ユーチューブなどソフトウェアのサービスで圧倒的だが、ハードウェアのビジネスはまだ道半ばだ。AIの発達でスマホの使い方が変わり、スマホ以外にもスマートスピーカーやスマートウォッチなどが登場し、身の回りのコンピューターはこの5年ほどで大きく姿を変えた。

フィットビットのスマートウォッチ。「ピクセルウォッチ」が出てくる日も近い?(写真:Google)

それだけハードウェアビジネスには拡大余地がある。現にグーグルもスマホ以外に製品群を広げている。2014年にはスマートカメラや温度調節器を手掛けるネストを、2021年初めにはスマートウォッチを手掛けるフィットビットを買収した。ネット上などでは「ピクセルウォッチ」なる新製品が出てくるのではとの憶測が話題となった。

こうした見方について、ラマチャンドラン氏は「スマホだけでなくハードウェアのエコシステム(生態系)を広げることが重要になっている。フィットビットと組織を統合したのも、スマートウォッチを開発する大きな意図があったからだ。楽しみな製品がパイプラインに入っている」と話す。

ソフトウェアでは無敵の巨人となったグーグル。ピクセル6を突破口として、今度こそハードウェアビジネスでも存在感を示せるだろうか。

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中川 雅博 東洋経済 記者

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なかがわ まさひろ / Masahiro Nakagawa

神奈川県生まれ。東京外国語大学外国語学部英語専攻卒。在学中にアメリカ・カリフォルニア大学サンディエゴ校に留学。2012年、東洋経済新報社入社。担当領域はIT・ネット、広告、スタートアップ。グーグルやアマゾン、マイクロソフトなど海外企業も取材。これまでの担当業界は航空、自動車、ロボット、工作機械など。長めの休暇が取れるたびに、友人が住む海外の国を旅するのが趣味。宇多田ヒカルの音楽をこよなく愛する。

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