理解不能…？妻の言葉を翻訳してみた 精神科医Tomyさんの「夫の悩み相談室」

子どもの小学校のＰＴＡ活動をしています。義務ではなく、やりたくてやっているのですが、妻は「合理的じゃない」「やるべきじゃない」と根拠を並べて反対します。本当はお母さんたちの中で僕が変なことを言うことを心配して、やってほしくないだけだろうと思うのですが、どうしてハッキリ言わないんでしょうか（東京都／４５歳／会社員）

【回答】
 コレ、夫は「妻が本当に言いたいことと違うことを言っている」ということまで気づいているわよね。つまり、理屈よりも感情で反対されているとわかっている。その直感は当たっていて、きっと言いにくい理由があって、だからこそ妻は「気持ちを察して」と無言のメッセージを発しているわけ。例えば、妻がＰＴＡ仲間からいじめられていることを夫に知られたくないとか、すごくきれいな奥さんがいて、夫と引き合わせるのが心配だとか。言いにくいことほど、自分から言わずに「察してほしい」となる。ややこしいのよ～！

夫から先読みして「もしかしたら嫌なこととか都合の悪いことでもあるの？ 相談してよ」と切り出すのがベスト。妻は「察してくれた」と少なくとも嫌な感じはしないし、それで本当の理由がわかれば、「だってあの人キレイだから……」「大丈夫だよ！」と解決にもなる。なかなか高度な技術だけどね。参考になったかしら？

妻の話は、共感を求めることが多い。誰かに認められたい願望があるのは、幼少期に何か傷ついた経験があるからかもしれないと思い、それを解決するための自己啓発本やパートナーシップに関する本を「参考になるから」と渡したら、「本当にあなたって人の話を聞いていないわよね」と怒られた。いや、聞いているからこそ解決策を示してあげたのに……（宮崎県／３３歳／会社員）

【回答】
 妻はけっこうハッキリ言っているけどね、あえて翻訳すると、「あなたは何も聞いていない」は、「あなたは何も共感していない」ということよ。この夫、おもしろい人ね。妻の言うことを文字通り受け止めている。そればかりか、本を渡すなんて一番やっちゃいけないことをやっちゃって、これで妻の話を聞かなくて済む、というメッセージを発してしまっている。妻は見放されたと感じるわ。

この場合、翻訳した通りに共感すればいいだけなのよ。共感って男性は苦手な行為だから、あえて説明しておくと、「うんうんそうだね、大変だね」と、自分に立場を置き換えて同意する。それだけ。男性は問題を提起し、解決策を考えようとする「理屈の流れ」を重視するけど、女性は「感情の流れ」をベースに物事を訴えているから、結論は必要なく、共感だけを求めていることも多い。男性が一生懸命、良い解決策を思いついたのに、女性がまったく採用せず、「だったら聞くなよ！」と、両者が溝を深めるケースもよく聞くわ。参考になったかしら？