「エンタメ」は、ローカル鉄道を救えるか 静岡・大井川鉄道の『トーマス列車』が超人気

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この夏、大井川鉄道(静岡)で大人気の「トーマス列車」。「トーマス」と、「日本生まれの蒸気機関車」と設定された「ヒロ」が競演する  写真提供:大井川鉄道 (c) 2014 Gullane (Thomas) Limited

古くから鉄道を舞台にした映画やテレビドラマは数多く、降旗康男監督の『駅 STATION』や『鉄道員』、テレビ朝日系列で放送された『新幹線公安官』『鉄道公安官』などのシリーズが、すぐ思い浮かぶ。

人気キャラの「ラッピング列車」がトレンドに

こうした作品が創られる際は、もっぱら映画などの製作側から鉄道会社へ協力が要請されて、鉄道の現場で撮影に及んでいるのだが、鉄道側も単に場所を提供するのみならず、自社がエンターテイメント作品に取り上げられたことを積極的に活用し、観光客誘致やPRの機会ともしている。映画・ドラマファン、定番の行動である「ロケ地巡り」の一環として、舞台になった鉄道に乗ってもらったり、周辺の観光地を訪れてもらおうという目論みだ。

最近では、列車に人気キャラクターを描くという例が多く見受けられる。JR境港線を走る「鬼太郎列車」(境港市が作者・水木しげるの出身地)や、JR氷見線を走る「忍者ハットリくん列車」(氷見市が作者・藤子不二雄Aの出身地)などだ。作者のやなせたかしが高知県出身である縁もあって走りはじめたJR四国の「アンパンマン列車」は、同社の看板列車ともなっている。

作者と沿線地域とのゆかりが特にないのにも関わらず、人気キャラクターと鉄道とのコラボレーションも散見されるようになった。鉄道会社の意図や事情はさまざまだが、この夏にも大井川鉄道が『きかんしゃトーマス』(原作はイギリスの絵本)の主人公である蒸気機関車「トーマス」の意匠を、保有する蒸気機関車に施して、絶大な人気を集めている。

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