予想外のインフレ長期化で多くの中銀緩和を転換 物価高対策か景気減速対策か、苦悩する中央銀行

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縮小

世界各地の中央銀行の多くは、新型コロナウイルス禍に伴うリセッション(景気後退)対策として昨年に講じた緊急の金融刺激策について、縮小や解除に動きつつある。

インフレ加速を受けて、米連邦準備制度が資産購入のテーパリング(段階的縮小)開始の方向にあるほか、ノルウェーやブラジル、メキシコ、韓国、ニュージーランドなどの中銀は既に利上げに踏み切っている。

サプライチェーンの制約や商品相場高、ロックダウン(都市封鎖)解除後の需要回復、現在も続けられている景気刺激策、労働力不足などを理由に、このところのインフレ高進がすぐには落ち着く兆候がないことが、一連の姿勢転換の背景にある。

中銀当局者にとって事態を複雑化させているのは、成長ペースが鈍化しつつある可能性で、軽度のスタグフレーション的状況を警告する声も一部上がっている。

この結果、物価高と景気減速のいずれのリスクに優先的に取り組むべきかの議論で、当局者は困難な状況に陥っている。金融政策の引き締めでインフレに対処しようとすれば景気回復への新たな足かせとなる一方、需要喚起に努めれば一層の物価高を招きかねないためだ。

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