「昇進したけど不安」という人が自信をつける方法 過去や現在の実績よりも大事なのは未来志向
部下にはどう自信を持たせたらいいのでしょうか? リーダーは、どう自信を持ったらいいのでしょうか?
今回は、上司1年目の自信の持ち方、持たせ方を解説します。
自信には「本物」と「ニセモノ」がある
まず、「自信」とは何かを定義したいと思います。
本物の自信とニセモノの自信があります。それを理解するために、過去、現在、未来の時系列で分けて考えます。
過去と現在への自信は、極端にいえば、必要ありません。過去の実績が素晴らしかったかどうか、今実力があるかどうか、ここにこだわるとドツボにハマります。自信がない人も、ありすぎる人も、実はこの点でズレてしまっています。過去の実績に自信を持とうとすると、誰と比較するかで左右されてしまいます。
県大会2位の人は、3位以下の人よりは優れていますし、1位と比較すれば劣ります。1位を取ったとしても全国大会や世界大会に行けば、全然歯が立たない、ということになってしまうわけです。
過去の実績は、自信を持つのではなく、事実として受け止めることが重要です。県大会2位であれば、3位以下の選手やチームも素晴らしかったし、1位以上も素晴らしかった。その優秀なライバルの中で、2位という実績を残したのは、誇らしい。ライバルたちよりここは優れているし、ここは劣っている。
こうして、過去に自信を持つのではなく、事実として受け止めます。
逆に、自信は、「未来」に持つべきです。自分は素晴らしいリーダーに、必ずなれる。自分は目覚ましい成果をあげられる。自分は社会に役立つ人物になる。自分は部下を著しく成長させることができる。未来の自分には、絶対の自信をもつことが、あるべき自信の持ち方です。
「現在」についても、今の自分が通用するのか、今の自分がデキる人なのかどうか、そこに「自信」を持とうとする必要はありません。
多くのビジネスマンが、「今の自分」を大きく見せようとします。10段ある階段の3段目にいるときに、周りの人から2段目にいると見られると、「オレはそんなにできない奴じゃない」と怒りが湧いたり、4段目にいるように見せたりします。
上司に「君仕事できないね」なんて言われようものなら、「上司が評価してくれない」とひどく落ち込んだり、評価してくれない上司に怒りが湧いたりします。
現在の周囲の評価が、自分が思っているより高かろうが、低かろうが、それを事実として捉える方が前に進むエネルギーが湧きます。
現在の自分は、できないし評価されていない。それが事実。だけれど、未来の自分を見ていてくださいね、としたたかに切り替えます。現在の自分には謙虚に事実を受け止め、未来の自分には尊大に自信を持つ。この状態を、私は「自己肯定感」と呼んでいます。