シングルファーザーを悩ませる「娘の生理」問題 実は子どもも父親に相談できずに困っている
ひとり親支援協会はそれぞれのグループでの交流を大切にしている。コロナ禍では対面での交流は事実上できなくなったが、LINE上でのグループやZoomを利用したオンラインでの交流は今でも毎週開催しているという。
「コロナの影響で、支援や人とのつながりが物理的にも精神的に孤立されてる方が多いと思います。
私たちの団体でも、コロナ禍前のメンバー数は約1500人でしたが、今は約8000人になっていますので、交流できる居場所が求められているのかなとは感じます。シングルファーザーの方も増えてます。
死別の方、離婚された方、未婚の母親、再婚や事実婚などのステップ・ファミリーのひとり親、DVを受けた方、モラハラを受けた方、不登校の子を持つ方、障害児を持つ方など、本当にさまざまなグループがあります。
60以上のグループがありますが、私はそのすべてに関わっています。今もさまざまな相談やメッセージが日々行き交っていますね」
コロナ前は、対面の場で行っていた食料や教材などの配布も、宅配に切り替え、支援が途絶えないようにしている。
ひとり親の現状「ひとごとではない」
ひとり親支援協会は2020年11月、シングルファーザー世帯を対象としたアンケートやヒアリング調査を実施。その結果を公表するとともに、シングルファーザーが社会的に孤立する現状について、問題提起と改善に向けた要望書を国などに提出した。
今井さんは「ひとり親の現状は、今ひとり親でない方々にとっても決して『ひとごと』ではない」と訴える。
「本来は、『ひとり親』とひとくくりにしてはいけないんです。人によって異なる事情や課題がありますから、支援するにしても、それぞれに合わせて個別に対応しないといけないんです。しかし、それができる団体や行政がほとんどいないのが今の日本の現状です。
とはいえ、私たちのような団体があることを知ってもらわなければ、支援することもかないません。『こんな場があるんだ』ということを知ってもらうための活動は今後も力を入れていきたいと考えています。
また、知ってもらいたいのは、ひとり親の方々だけではありません。今ひとり親でない方々も、決してひとごとではないんです。
とくに死別については、いつ何時起こるかわかりません。どれだけ気をつけていても病気になることや事故に巻き込まれるということはありえます。
もしそういったことが自分に起きたとき、何も知らなければ途方に暮れてしまうかもしれません。私たちのような存在やひとり親に関する情報を事前に知っているだけでも、対処の仕方が変わるのではないでしょうか」
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