中国サービス業「景況感」が乱高下する背景事情 「財新サービス業PMI」、8月より6.7ポイント上昇

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9月のサービス業PMIは前月より6.7ポイント上昇。好不況の目安である50を超える水準に再浮上した(図表作成:財新)

中国のサービス業界では、新型コロナウイルスの局地的かつ断続的な流行が、企業の景況感を乱高下させている。2021年7月下旬から8月にかけては、広東省や江蘇省で相対的に規模の大きい感染が起き、景況感が一気に冷え込んだ。ところが9月に入って流行が落ち着くやいなや、景気回復への期待が急速に高まった。

このような状況を背景に、10月8日に発表された2021年9月の財新中国サービス業経営活動指数(サービス業PMI)は53.4に上昇。好不況の目安とされる50を16カ月ぶりに割り込んでいた8月(46.7)から6.7ポイント跳ね上がり、好況圏に再浮上した。

サービス業の9月の事業活動は、供給と需要がそろって回復に転じた。調査対象企業からは、新型コロナの局地的流行が落ち着くとともに、サービス市場のセンチメントが改善。顧客数の増加を通じて、売り上げが回復軌道に乗った、との声が寄せられた。

「景気の下押し圧力はなお大きい」

供給と需要の同時回復を背景に、雇用にも明るさが戻った。サービス業の9月の雇用指数は、前月の縮小基調から拡大基調に転換した。ただし、指数の拡大幅はわずかな値にとどまっている。

目下の懸念材料は、物価の上昇によるインフレ圧力が強まっていることだ。サービス業の人件費、物流費、原材料費などが反映される投入価格指数は、上昇と下降のボーダーラインを9月も大きく上回って推移し、上昇幅は8月よりやや拡大した。

本記事は「財新」の提供記事です

「9月はサービス業の景況感が大きく改善した一方で、製造業の回復は限定的だった。(総合的に見た)景気の下押し圧力はなお大きい。サービス業では投入価格と販売価格の上昇が加速しており、(景気の先行きに対する)インフレの悪影響が心配の種だ」。財新グループのシンクタンクCEBMのシニアエコノミストを務める王喆氏は、そうコメントした。

(財新記者:範浅蝉)
※原文の配信は10月8日

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