楽天が、全世界27カ国進出、流通総額20兆円のグローバル戦略をぶち上げ
インターネット通販を手掛ける楽天は、6月30日夕、東京・東品川の楽天本社2号館で、証券アナリストとメディアに対して、国際展開に関する説明会を開催した。 三木谷浩史社長以下、フランス、米国、中国、台湾、タイ、インドネシアの全海外拠点6カ国の責任者が勢ぞろいした。
三木谷社長は、「全世界27の国と地域に進出し、流通総額は20兆円、海外比率7割を目指す」と宣言。現在の楽天グループの流通総額は約1.9兆円、99%までが国内での販売となっており、野心的な目標と言える。
三木谷社長は、「EC市場は、日本でも成長しているが、海外のほうが成長速度も成長余地も大きい」と海外事業を強化する理由を説明した。
楽天は2008年5月に台湾に進出、09年秋から、現地企業の買収や合弁などで、タイ、中国、米国、インドネシア、フランスと矢継ぎ早に拠点拡大を進めている。計画推進のためには、今後も企業買収を続けることになるが、三木谷社長は「買収資金は既存事業のキャッシュフローや金融事業の資産構成の見直し等で手当できる。ただ、単体有利子負債をゼロにするという方針は若干修正する必要がある」と語った。
国内ネット通販市場ではトップ企業の楽天だが、進出先の市場ではいずれもトップ企業を追いかける立場だ。約230億円で買収した米国のバイ・ドットコムは売上高は57億円、約220億円で買収したフランスのプライスミニスターも売上高は44億円程度にとどまり、まだまだ小粒。