よく響くいい声が出せる「のど・口・鼻」の使い方 単なる「大きな声」と「よく響く声」は別物だ

拡大
縮小

そもそも、声は声帯だけで出すわけではありません。

ごく簡単に説明すると、私たちは次の4段階で声を発しています。

① 「腹筋」で「横隔膜」を動かすことで、「肺」を圧して息を吐く
② 吐く息で「声帯」を振動させる
③ 声帯の振動が、「喉・口・鼻の空間」に響いて声になる
④ 声に「舌・唇・歯」などで変化を加えて言葉にする

「発声」というと、声帯や喉ばかりを気にする方が多いのですが、実は上記の器官はすべて使っているのです。

さらに、発声に関係しているのは、ここに挙げた部位だけではありません。

たとえば、目の周りの表情筋も、発声の元になる呼吸と密接につながっています。表情筋と肺の下にある横隔膜がつながっているからです。表情を変えるだけで呼吸の深さも変わり、出る声がまったく違ってきます。

このように、声がこれらの器官の状態を反映するため、声にはその日の体調も、精神状態も、すべて反映されるわけです。

体の中の「共鳴部」を意識する

洞窟や教会などの空間では、音が反響して共鳴し、響き渡りますよね。
これは、人間の体も同じです。人間の体の中にも空間があり、そこに声を共鳴させ響かせることで、外に出る声は美しく豊かに響くのです。

共鳴を起こす空間を共鳴部と呼びますが、人間の体の中には主に3つの共鳴部があります。

咽頭腔(いんとうくう)→声帯がある周辺
口腔(こうくう)→口の中
鼻腔(びくう)→鼻の中

いずれも「腔」という漢字を書くとおり、この部分が十分に開いて空間があることが、共鳴を起こし声が響く大前提になります。

この3つの部分の共鳴を、自分の体で確認することができます。やってみましょう。

次ページ3つの「腔」の響かせ方
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT