次に、会社の成長には「新卒」が欠かせないというのがあります。その理由を述べたいと思います。
会社にとって重要なものには、ビジネスモデルなどがありますが、「会社の理念の浸透」「文化形成」「社風創り」といったものも重要です。それが根底に根付いている企業は強いと言えます。
ビジネスモデルは時代に応じて変化します。飲食業で唐揚げ屋を営む会社が、時代に応じて焼肉屋に転向するといった変化はよくあります。その際、唐揚げが好きで入社した人は転職を選択するでしょう。しかし、理念に共感して入社した人は残ると思います。会社の理念の浸透、文化形成、社風創りが強い会社では、社員のモチベーションも保てるため、定着率も高まり採用力も強くなります。
同時に「最初に就職する会社」の理念や文化、社風はずっと身についていて、その価値観は、人格や性格同様に、簡単には変わりません。つまり、新卒社員のほうが、中途採用社員よりも「価値観が浸透しやすいし、変わらない」ということが言えます。
会社が苦しくなったときに支えてくれるのは、そうした理念・文化・社風を一から学び、価値観が浸透している社員たちです。そうした社員が何人いるかによって企業間に差が生まれることは明らかです。そしてマネジメント層の中に新卒社員が半数以上いれば、会社の理念や文化や社風を形成しやすいと考えています。それは、上司の行動や態度や発言は全社に影響するからです。
これからは高卒採用が狙い目か
しかし、新卒社員を確保するのは簡単ではありません。若手の採用はコロナ禍であっても求職者に有利な売り手市場です。少子超高齢化や労働人口を見ても、これから先、若手採用は買い手市場にならないと断言しても過言ではありません。とくに中小企業にとっては、新卒を採りにくい状況が続くでしょう。
また、若手を採用しなければ、社員の高齢化が進み、会社のサステナビリティ(持続可能性)や将来の成長も見込めません。若手採用には中途採用もありますが、前述の理由で、会社の成長にとっては新卒採用のほうがよいでしょう。
しかし、将来が不安な世の中になっている中、学生も安定志向に入っています。特に頑張っていい大学に入った学生ほど、安定的でリスクを取らない生き方を選択しやすい傾向があります。逆にいえば中小・ベンチャー企業にとっては、いい大学出身の新卒採用がますます厳しくなっているということです。
その中でターゲットにしたいのが、「高校新卒採用」なのです。
そもそも中小・ベンチャー企業にとって高卒採用は成功しにくいと言われてきました。なぜなら、学校経由で生徒に企業紹介や応募が行われており、知名度が低い企業や高校との繋がりが薄い企業にとっては、大卒以上に応募が集まりにくかったからです。
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