ホンダ「非クルマ分野」の電動化が遅れている訳 世界シェアNO.1を誇る「汎用エンジン」の行方

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エネルギー事業は、2020年3月に発表されたヨーロッパのEV向けエネルギーマネジメント「e:PROGRESS」などが該当する。ロボティクスは、歩行アシストやロボット草刈り機をはじめ、筑波学園都市で実施されている自動配送ロボットなどが含まれる。また、交換式バッテリー「モバイルパワーパック」も担当だ。

本田技術研究所と楽天グループで実証実験を行っている自動配送ロボ(写真:本田技研工業)

ライフクリエーションへの名称変更とともに、先端技術を用いた次世代のビジネスを広く手掛けることになったのである。

では、この春からライフクリエーション部門が続けざまに電動化製品を発表しているのは、ホンダ新社長の「電動化宣言」に足並みを揃えたものなのだろうか。

新社長の「電動化宣言」との兼ね合いはない

「春にリリースした電動パワーユニット『eGX』 は、これまでのGXエンジンを電動化して、そのまま置き換えるというコンセプトで作っています。それだけを聞くと、“汎用エンジンをやめて、すべてを電動化するのでは”と思われるかもしれませんが、そこまでいっていません」と中島氏。

なんと、4輪と同じような“脱・エンジン宣言”というわけではないというのだ。

「我々は今、様々なところにエンジンを供給していますが、提供先からのいろいろな要望に応える形で、新しい製品を出しています。これは、最初に耕うん機を開発したときからの姿勢です。そのOEM供給先からの要望に応えて、小さなエンジンから大きなエンジン、あるいは商品そのものを作ってきました。今回の『eGX』も、OEM供給先からの要望に応えたものです。その要望は、室内や構内での業務に使えるもの“エンジンじゃないもので”というものでした」と中島氏。

業務用作業機向け電動パワーユニット「eGX 一体型」(写真:本田技研工業)

つまり、市場ニーズに応えることが基本姿勢で、電動パワートレインの投入は、ホンダ側からの提案ではなく、OEM供給先である企業からの要望だったというわけだ。

この電動パワートレインの『eGX』 は、世界中に広く使われているGXエンジンと出力やサイズを合わせてあり、GXエンジン用に作られた機械に、そのまま乗せ換えることができるという。

答えとしては納得できるが、さすがにホンダの新社長会見とタイミングが合いすぎている。しかし、中島氏は「本当はもっと早く出す予定だったのですが……」と、この会見に合わせたものではないと話す。

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