ホンダ「非クルマ分野」の電動化が遅れている訳 世界シェアNO.1を誇る「汎用エンジン」の行方
生産も世界11カ国13拠点で行われており、2020年の販売実績では、世界で約560万台を記録。台数ベースでいえば、4輪車よりも多い。そして、特に小排気量の汎用エンジンとしては、ホンダのシェアは世界ナンバー1だという。
また、ホンダの汎用エンジンは、ホンダのバッジのつかない他社製品にも数多く利用されている。いわゆるOEMだ。
工事現場で使われる“地ならし”のランマーなどにもホンダの汎用エンジンは使われているし、レンタルカートのエンジンもホンダの汎用エンジンである。目には見えなくとも、私たちの生活にとってホンダの汎用エンジンは、意外と身近な存在なのだ。
「ライフクリエーション部門」とは何なのか?
ホンダがカーボンニュートラルを目指すのであれば、当然、こうした汎用製品の電動化も避けられない。しかし、気になるのは、そのスピードと範囲だ。
いったい、ホンダのライフクリエーション部門の電動化の道程はどのようになるのだろうか。ライフクリエーション事業本部戦略企画部 人事・ブランド企画課 広報・ブランドグループの中島茂弘氏に話を聞いてみた。
まず、気になったのは「ライフクリエーション部門」という名称だ。もともと「汎用事業本部」だったのが「汎用パワープロダクツ事業本部」となり、2017年から「パワープロダクツ事業本部」に。そして、2019年から「ライフクリエーション事業本部」と、頻繁に名称変更を行ってきている。中島氏はこう話す。
「パワープロダクツ事業本部までは、それまでの“汎用”という名称を、日本だけでなくいろいろな国で理解いただけるように、パワープロダクツに変更しただけで、中身はあまり変わっていません。ただ、今回のライフクリエーションへの変更は、大きく異なります。ポイントは、エネルギー事業とロボティクス事業をパワープロダクツ事業に取り込んだ、ということです。これまでホンダが先行して取り組んでいた領域を、事業化を見据えて取り組むという狙いがありました」
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