GR86/ロードスター FRスポーツ買うならどっち 王道スポーツのトヨタ、上質オープンのマツダ
加えて、2016年11月には、電動格納式のリトラクタブルハードトップを装備した「ロードスターRF」も登場。スタンダードのオープン仕様のフォルムを継承しながらも、ルーフから車両後端まで、なだらかに傾斜するスポーツカー特有のボディライン「ファストバック」スタイルを持つ仕様を追加した。
ロードスターのパワートレインは、まずオープンカー仕様には、直噴1.5L・4気筒ガソリンエンジン「SKYACTIV-G 1.5」をフロントミッドシップに搭載する。最高出力は132ps/7000rpm、最大トルクは15.5kgf-m/4500rpmを発揮する。一方、電動格納式ハードトップ仕様のRFには、2.0L・4気筒の「SKYACTIV-G 2.0」を採用。最高出力は184ps/7000rpm、最大トルク20.9kgf-m/4000rpmだ。
なお、GR86とロードスターには、いずれも6速AT(オートマチック・トランスミッション)車のほかに、6速MT(マニュアル・トランスミッション)車も用意する。スポーツ愛好家には、アクセル、ブレーキ、クラッチの3ペダルと、マニュアルシフトを駆使して自らがクルマを操る感覚を味わうことを好むユーザーも多い。両車には、そういった「スポーツカー好き」特有のニーズに対応したラインアップを設定している。
GR86とロードスターのボディサイズを比較
エンジン出力では、排気量が大きいGR86のほうが圧倒的にパワフルだが、ロードスターには別の魅力がある。それは、軽くてコンパクトな車体だ。
車体サイズは、GR86が全長4265mm×全幅1775mm×全高1310mm(全高はルーフアンテナを含む数値。ルーフ高1280mm)。ホイールベースは2575mm。対するロードスターは、オープンカー仕様が全長3915mm×全幅1735mm×全高1235mmで、ホイールベース2310mm。ハードトップ仕様のRFは全高のみ1245mmで、ほかは同じだ。
ロードスターの車体はGR86より一回り小さく、ホイールベースも短い。そのため、最小回転半径もロードスターは4.7m。GR86のデータは公開されていないが、兄弟車の新型「BRZ」が5.4mだから、ほぼ同じだろう。おそらくロードスターのほうが、かなり小回りが利くことは想像にかたくない。
スポーツカーは、車体が軽いこともメリットとなる。制動距離を短くできるし、旋回性能も上がるからだ。その点でいえば、GR86の車両重量も1270kgと軽いが、ロードスターのオープンカー仕様はさらに軽量だ。ベースグレードの「S」は1トンを切る990kgを実現するし、最も重いグレードでも1020kgだ。また、電動格納式のハードトップが重量物となるRFでも、車両重量は1100~1130kgと、こちらもGR86より軽い。つまり、単純にパワーだけの差で、両モデルが持つ走行性能の魅力は語れないということだ。GR86より非力であっても、半径がかなり小さいタイトなコーナーなど、小柄で軽いロードスターのほうが機敏に走れる場所も多いだろう。
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