GR86/ロードスター FRスポーツ買うならどっち 王道スポーツのトヨタ、上質オープンのマツダ

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ロードスターのスタイリング(写真:マツダ)

もちろん、ロードスターにも内外装に多様なオプションパーツが設定されている。ラインアップには、マツダのスポーツブランド「マツダスピード」製のエアロなどもあるが、インパネやドアトリムへのアルカンターラ素材など、どちらかといえば上質感を向上させるものも多い。GR86が「サーキット走行も考えた」機能パーツを数多く用意するのとは対象的だ。これらの点にも、先述した両車のキャラクターである「レーシーでアクティブなGR86」、「落ち着いた大人のスポーツカーであるロードスター」といった違いが現れている。

ただし、ロードスターの場合も、「ロードスターカップ」といったワンメイクレースなどに向けて、モータースポーツ用ベースグレード「NR-A」を用意している。車高調整機能付きのビルシュタイン社製ダンパー、フロントサスタワーバー、大径ブレーキローターなどを装備し、価格(税込)は275万5500円。よりリーズナブルにサーキット走行を楽しみたいユーザーに向けた車両だ。

【10月14日13時5分:事実関係に一部誤りがあり修正しました】

スポーツカーとして珍しい福祉車両があるロードスター

ロードスターRFの手動運転装置付車(乗降用補助シート・旋回ノブ)(写真:マツダ)

さらに同モデルには、オープンカー仕様とハードトップ仕様の両方に、福祉車両も設定している点が興味深い。足が不自由なユーザーなどに向けた「手動運転装置付き車」で、センターコンソール横に「コントロールグリップ」を配置する。これはアクセルペダルとブレーキペダルの代わりとなるもので、引くと加速、押すと減速する仕組みだ。

価格(税込)は、車両代に加え装備品代が33万9400円~36万5900円となる。スポーツカーに福祉車両を設定する例はあまりない。だが、障がい者でも、走りを存分に楽しみたいというニーズは一定数あることは事実だ。そこには、ロングセラーのロードスターを、より幅広いユーザーに楽しんでほしいというマツダの意志が感じられる。

このように両車は、同じスポーツモデルでありながら、主なターゲット層には違いもある。GR86は、サーキットも含め、よりピュアに走りを楽しみたい層へ向けたクルマ作りが特徴だ。一方のロードスターは、やはりオープンカーだからこそ感じられる爽快で上質な走りが魅力だ。特に一般道のワインディングなどで、軽快かつ快適な走りを求める層には最適だろう。いずれにしろ、両車は、こうした「しっかりとした個性」があるからこそ、長年多くのファンに支持を受けていることは間違いない。

平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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