"非鉄"も「いいね」とうなる、鉄道を撮る男の夢 鉄道カメラマン山崎友也と村上悠太の師弟対談

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村上:山崎さんは夜の写真をたくさん撮っていますね。ロケに行って、一緒に晩ごはんを食べようと思っても、山崎さんが夜帰ってこないということもありましたね。

写真集を見ながら対談する村上氏(左)と山崎氏(撮影:尾形文繁)

山崎:うん、小さい頃から夜が好きだったというのもあるけど、昼間はオーダーされた写真を撮らないといけないから、自分の作品活動をするのは夜しかない。必然的に夜が多くなったというのはある。

村上:山崎さんは作品づくりでは極端なことをやるのが好きですよね。3000mmの超望遠レンズで車両を撮ったり、超広角で新幹線の鼻だけ撮ったり。なぜこのような写真を撮るようになったのですか。

山崎:野心だね。誰も表現したことがない、誰も見たことがない写真にチャレンジしてやろうって。何千ミリで撮ってみようとか、そういうことを考えるのが楽しい。

影響を受けた写真家は?

村上:写真家にとって大事なことの1つが「テーマ」。テーマがないと組み写真が作れないから、写真集が出せないし写真展も開けない。僕は「人」を1つのテーマにしていますが、山崎さんは自分に厳しいですよね。テーマを決めてもさらに夜にこだわったり、車両を出さなかったりとか。なぜ、あえて厳しくしているのですか。

山崎:限定したほうが楽という部分もある。答えがはっきりしているから。たとえば写真教室で生徒に課題を出すとき、撮影に条件を付けたほうが撮るほうもわかりやすい。

村上:最近、影響を受けた人はいますか。真島(満秀)さんには影響を受けたでしょ。その後は?

山崎:そりゃあ中井(精也)には影響を受けたよ。中井は前ボケ(前景にボケを入れる)とかで、それまでの鉄道写真にはなかった表現をした。だからワシがそれをやったら二番煎じになっちゃう。自分に何ができるか、ずいぶん悩んだ。結構試したよ。この前、写真を全部ぶれさせてみようとして大失敗した。全体がぶれていると止まっている部分に目がいく。それで列車も周りの草木もすべてがぶれている写真はどうなのかなと思って撮ったら全然だめだった。でも、やってみんとわからんじゃん、そういうのって。だから失敗のほうが多いよ。

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