コロナ後の世界を理解するための「11の数字」 マッキンゼーが読み解くネクスト・ノーマル

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では、「ネクスト・ノーマル」とは、どのような時代なのだろうか。4つのキーワードと11の数字で、浮き彫りにしたい。

「K字」

パンデミック以前より、見えつつあった国、業界、企業間の格差は、コロナを契機に一気に拡大した。K字を描くように、明確に差異が拡大していった。

① 10兆ドル パンデミック発生後に世界で発表された経済対策の総額

コロナ禍が発生して3カ月で全世界で合計10兆ドルの景気支援策が発表された。前述のワクチン接種も含めて、先進国の対応は早かった。こうした資金の多くは、「リカバー・ベター(より良い状態への回復)」の掛け声の下、サステナビリティや医療などの分野へ振り分けられた。一方で、新興国においては景気刺激策も、ワクチン接種も遅れており、国間の格差を拡大させることになった。またコロナ禍は、旅行や飲食業など一部の業界に大打撃を与えたが、半導体産業や耐久消費財、ヘルスケア業界などなど、成長した産業も多く、産業間の明暗が先鋭化した。

② 40%  コロナ発生後の1年間における世界の時価総額の増分のうちMEGA25の貢献分

こうしたK字回復の恩恵は、MEGA25と呼ばれるアメリカおよびアジアのテクノロジー、消費財(主にe-Commerce)、半導体、EV関連企業が独占した(MEGA25:中国旅遊集団中免[China Tourism Group Duty Free]、宜賓五糧液[Wuliangye Yibin]、貴州茅台酒[Kweichow moutai]、ASML、NVIDIA、TSMC、CATL、BYD、テスラ、JD.com、アリババ、シー[Sea]、サムスン、拼多多[Pinduoduo]、美団[Meituan]、テンセント、スクエア、ズーム、ショピファイ、フェイスブック、ペイパル、アルファベット、マイクロソフト、アマゾン、アップルの25社)。

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