中国恒大危機は08年リーマン型?1998年LTCM型?

23日の社債の利払い控え重大局面を迎える

4年後に償還期限を迎える中国恒大集団の社債の利回りが60%を突破すれば、すべてのクーポンが支払われることはないと市場は理解する。これとは裏腹に、中国不動産開発業者の高利回り債はつい数週間前まで、S&P500種株価指数より高いトータルリターンを上げていた。これは正気の沙汰ではない。

今は比較的静か

それではなぜ、まだ比較的静かな状態なのだろうか。詰まるところ、中国当局の意図を読み取る必要がある。当局は中国版リーマンのお膳立ては避けたい。この数年間、ミンスキー・モーメント到来の可能性は、中国ウォッチャーの間では繰り返し強く警告されてきた。当局者らは起こり得る事態を理解し、それを阻止する決意を固め、信用抑制の努力を続けてきた。中国恒大集団が苦境に陥っているのは主として、政府自身が昨年、「三道紅線(3本のレッドライン)」政策によって不動産開発業界への締め付けを決定したからだ。

 Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

ミンスキーではなくLTCM

もちろん政府は容易に過ちを犯す。しかし中国がリーマンよりLTCMに近い対応を意図していることは明らかだ。中国恒大が本拠を置く広東省の規制当局は会計や法律の専門家を派遣したが、その中には事業再編を専門とする法律事務所キング&ウッド・マレソンズが含まれる。

中国政府が秩序あるプロセスを確実にすると考えられるもう一つの理由に、それ以外に選択肢がないという状況もある。リーマンの時代の言葉を借りれば、中国恒大集団は破綻させるには大き過ぎるからだ。

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