中国恒大危機は08年リーマン型?1998年LTCM型? 23日の社債の利払い控え重大局面を迎える
包商銀行
最後に指摘しておきたいのは、中国恒大集団より規模が小さいがもっと複雑だった包商銀行の破綻という「台本」があることだ。2年前に公的管理下に置かれた包商銀行のいきさつは、ソシエテ・ジェネラルの姚煒氏によれば、システミックな流動性逼迫(ひっぱく)の回避こそ「中国人民銀行(中央銀行)の絶対優先事項」であり、人民銀にはその手段があることを示す。政策当局は事業再編の痛みを和らげるための時間的猶予を得ることも可能になる。
LTCM型の後処理が帰結するところは暗い将来だ。モラルハザードがはびこるリスクも残る。人民銀が信用の全面崩壊を回避できたとしても、不動産セクターの弱さが経済成長の阻害につながることは不可避だ。しかし現時点の世界市場は、これが新たなLTCMになることに神経をとがらせつつ、リーマンの再来ではないことに慰めを見いだすだろう。突き詰めればいずれのシナリオも妥当に思われる。はっきりするのはこれからだ。
(ジョン・オーサーズ氏は市場担当のシニアエディターです。ブルームバーグに移籍する前は英紙フィナンシャル・タイムズに29年勤務し、「レックス・コラム」の責任者やチーフ市場コメンテーターを務めました。このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)
原題:Evergrande’s Moment Looks More LTCM Than Minsky: John Authers(抜粋)
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著者:コラムニスト:John Authers
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