中国恒大、債務再編なら債券保有者に大きな損失⁉ 果して世界中にいる債権者は結束できるのか
中国の不動産開発大手、中国恒大集団の債務再編が現実味を帯びつつある。中国で最大級となる債務再編の足音が近づく中、債券保有者らは自分たちの利益を代弁してくれるプロの支援確保を急いでいる。
中国恒大の発行済みドル建て債13本のうち1本は、世界で最も広く取引されている銘柄の一つとされる。恒大債の多様な保有者は世界に広がっており、債権団として組織化するのも困難を極めそうだ。
事情に詳しい関係者によると、法律事務所のアドルショー・ゴダードは190億ドル(約2兆1000億円)規模のドル建て債の保有者の一部と接触し、返済について中国恒大と交渉する債権者委員会の設立を準備している。アドルショー・ゴダードに17日コメントを求めたが返答はない。
一部の債券保有者はカークランド・アンド・エリスとモーリスをそれぞれ法務および財務アドバイザーとして起用したと別の関係者らが述べている。両社もコメントを求める電話と電子メールに応答していない。
債権者らがそれぞれに助言会社を起用し、ドル建て債保有者の中で複数のグループが生まれている。保有している債券のトランシェや年限、弁済順位によってグループ間で競合が生じる可能性もある。
中国恒大は20日が銀行ローンの利払い日となっているが、支払いは行われないと中国政府が主力銀行に伝えている。同じ週内にそのほか、ドル建て債と本土債の利払い期日を控えている。
中国恒大の本土不動産部門、16日の全社債取引を停止
中国恒大は今月20日期限の利払いせず-中国政府が銀行に伝える
中国、「リーマン危機」再発防げるか-恒大巡る悪夢のシナリオ検証
中国恒大、破綻でもリーマンショックにならず-環球時報編集長
中国恒大の負債の規模と多層的構造、さらに社会的影響を踏まえると、債務再編となった場合は複雑なものになるだろうと、ブルームバーグ・インテリジェンスのクレジットアナリスト、ダニエル・ファン氏は指摘する。「住宅購入者と理財商品(資産運用商品)投資家への返済、建設業者と納入業者への支払い」が最初になり、その後にローンや債券など通常の債務が来るだろうと述べた。
ドル建て債の大きな部分を投資信託とプライベートバンクが保有していることから、オフショア債権者らの組織化は難航するだろうとも指摘した。
中国企業の債券保有者が組織化に成功した例もある。北大方正集団債ではうまくいったが、これが資金回収に役立つかどうかはまだ分からない。中国で誕生したばかりのディストレスト債市場では欧米に比べこうした事例は少ない。
原題:Evergrande Bondholders Race to Organize as Debt Crunch Looms、An Evergrande Restructuring Would Prompt Bondholder Jostling、Evergrande Bondholders Chose Kirkland, Moelis as Advisers: Reorg(抜粋)
(法律事務所についてやアナリストのコメントを追加します)
More stories like this are available on bloomberg.com
著者:Rebecca Choong Wilkins
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら