「メンタルが安定しない人」が言いがちな言葉4つ 無意識のうちについ自分を下げていませんか?

拡大
縮小

その状態になると危険なのは、人から親切にされたり、自分で良いことをやったりしても、プラスに心が動かないため気分が上がっていかないことです。ですから、プラスに感じて心が動く、「感動力を高める」必要があります。感動力を上げるために重要なのは、普段やらないようなことをちょっとやってみることです。私はその行動を「チョイ超え」と表現しています。

いつもよりちょっと恥ずかしいと思うこと、ちょっと照れくさいと思うこと、ちょっと勇気が必要なことを「よし、やってみるか」と1つでも前に進むことですね。

例えばボランティア活動や街のゴミ拾いなどです。そこでさらに人からありがとうと感謝されると、もっとやってあげたい気持ちになり心が徐々に動くようになってきます。ちょっと勇気のいることを日常に取り入れて、感動力を高めていきましょう。

以上シンプルではありますが、厳選してご紹介させていただきました。

「努力」「反省」から「自分なりに楽しむ」にシフト

目指すのは「セルフメンタルコントロール」です。落ち込まない人なんていません。誰でも嫌なことがあると、落ち込んでメンタルが下がってくることはあると思います。そこで大事なのは、引きずらないことです。下がった気持ちをリセットして、前を向いて歩んでいけるかどうかです。

『百年メンタル〜心の調子をキープする言葉の取扱説明書』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトへジャンプします)

スポーツの世界でも、会社の世界でも同じくらいの能力なのに結果が変わってくることがよくあります。それは、「メンタルのムラ」が大きな原因です。

東京2020オリンピックでも、それが顕著に現れました。誰もが金メダルを疑わなかった選手が、大きなプレッシャーや義務感を感じてミスを連発し、メダルを逃す。その一方で、 周りの影響を受けずに、普段通りにプレーできた人や涼しい顔や笑顔で挑んだ人が予想外のメダルを獲得する。そんな瞬間が多数見受けられました。

オリンピックに限らず、明らかに10年ほど前とは心のあり方が変わってきたように思います。これまでの「努力」「反省」が優先される文化から、「自分なりに」「楽しく」という方向にシフトしてきたように感じています。それこそ、この時代に必要な精神だと感じています。

1人でも多くの方が、普段の言葉遣いを変えて心の調子をキープし、気楽に日々の生活を送ることができれば、これほどうれしいことはありません。

飯山 晄朗 メンタルコーチ、人財教育家

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

いいやま じろう / Jiro Iiyama

中小企業診断士。銀座コーチングスクール認定プロフェッショナルコーチ。JADA(日本能力開発分析)協会認定SBTマスターコーチ。金沢大学非常勤講師。商工団体の経営指導員としての11年間で、中小企業の経営、財務、労務相談を5000件以上こなし、独立後は中小企業の人材教育に携わり、2つのコーチングスクールの運営。オリンピック選手や高校野球部を始めとするアスリートたちのメンタルサポートを行っている。主な著書『いまどきの子のやる気に火をつけるメンタルトレーニング』(秀和システム)。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT