中国空調市場でのノンインバーター規制導入は、ダイキンなど日系空調メーカーにはプラス《ムーディーズの業界分析》


 中国での規制の変更により、ダイキンは、ハイエンド製品向け技術を応用・簡素化し、新興市場で普及機の販売を拡大していくであろう。中国市場における売上高は、日本および欧州市場に次ぐ規模であり、今後インバーター化が加速すれば売上高の成長がさらに期待でき、利益の貢献度も高くなっていくであろう。

中国での家庭用エアコンの需要は約2400万台であり、欧州や日本市場に比べて3~4倍の販売機会がある。中国の家庭用エアコン市場では、珠海格力電器や美的電器(いずれもムーディーズの格付けなし)などの中国メーカーが、ローエンドのノンインバーター製品を提供することで、価格意識の強い消費者市場で圧倒的な地位を確立しており、ダイキンの市場地位は依然低い。

ダイキンは、かつて地球温暖化や消費電力に関する懸念が強まる欧州市場において、インバーター製品の販売を促進し、3年間で売上高を倍増させた実績がある。今回の中国におけるノンインバーター規制導入により、欧州市場での成功を中国でも実現する可能性がある。

ダイキンは、低価格のインバーター製品の導入に向けて、珠海格力電器と事業提携をし、共同開発を行っている。珠海格力電器の広範な販売網と規制強化の追い風を受け、ダイキンを含む日本の空調メーカーは、向こう2~3年で技術的優位性を背景に市場での地位を強化していくことができる、とムーディーズは考えている。なお、現在の中国におけるインバーター化比率は約10%である。

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