中国空調市場でのノンインバーター規制導入は、ダイキンなど日系空調メーカーにはプラス《ムーディーズの業界分析》


コーポレートファイナンス・グループ
AVP-アナリスト 澤村 美奈

2010年6月、日本の空調機器大手のダイキン工業(ムーディーズの格付けA3、見通しは安定的)は、中国のノンインバーター規制導入に伴い、10年度中に中国での営業担当者を前年度末比で3割強、取扱店を同6割増やす、と報道された。ダイキンは、中国での営業体制を拡充することで、消費電力の少ない空調機器の使用を促進する中国の新規制の下での優位性を確保していくことが可能になる、とムーディーズはみている。

この規制変更は、ダイキンをはじめ、省エネ能力の高い家庭用空調機器を製造するパナソニック(Aa3、安定的)、三菱電機(A1、ネガティブ)にとっても信用上プラスの影響を与えるであろう、とムーディーズは考えている。

ダイキンおよび他の日本の空調メーカーは、中国メーカーが製造する従来型のノンインバーターエアコンに比べて30%程度消費電力が少ないインバーターエアコンの製造に強みを持っている。中国が今回導入したノンインバーターエアコン規制に伴い、ダイキンはインバーターエアコンにおける競争優位性を背景に、今年度の中国での売上高を前年度比23%増の1600億円程度まで向上させる見込みである。それに向けて、同社は中国の営業担当者を300人、取扱店を1500店増やす。

ダイキンは、小規模の都市や内陸部などを中心に、取扱店を4000店舗まで拡大し、ダイキン製品だけを取り扱う小規模専門店も確保していく方針である。営業担当者は1200人体制を確立し、既存の取扱店を支援するとともに、ダイキンが従来強みを持つ、高付加価値で収益性の高い業務用への販売拡大も強化していく方針である。また、10年度は近年最大規模の320億円の研究開発費を投じ、中国や欧米向けの空調機器の開発を強化する予定である。

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