未婚化の原因は「女性余り」という壮大な勘違い 50代前半までの人口で見ると「男性余り」の現実

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未婚化といったときに、小学生や後期高齢者の結婚をイメージする方はさすがにいないと思います。結婚というと、法的に結婚が可能となる10代後半から、そろそろ老後を意識し始める初老期(およそ50歳前後)前までの年齢での結婚をイメージする方が一般的ではないでしょうか。

図表を見て驚く方も多いかもしれませんが、総数でこそ女性のほうが男性よりも多くなるものの、50代前半の年齢までは、男性人口のほうが女性人口よりもつねに多い状況なのです。

生物学的な解説はここでは最低限にとどめますが、ヒトという動物は男児が女児よりも5%(1:1.05の比率で)多く生まれてきます。これは医療が介在しない自然の状態においては、女児よりも男児のほうが乳児死亡率等が高いためです。

子孫を残す大人になるまでに、「自然淘汰」によって男児のほうが女児より多く死亡してしまうため、成人時に男女が同数程度になるように5%男児が多く生まれてくる仕組みがヒトという動物の出生に内蔵されているのです。まさに自然界の神秘といえるでしょう。

10代後半~40代の合計で70万人の違い

ところが、医療先進国ではこの自然淘汰が人工的に抑止されるため、結果的に成人しても男性のほうが女性よりも多くなってしまうのです。日本もこの例外ではなく、2015年の国勢調査確定値から筆者が計算した結果では、男性人口が女性人口に比べて、

10代後半 16万2444人 男性が多い 
20代 22万6479人 男性が多い
30代 17万0863人 男性が多い
40代 14万2768人 男性が多い
10代後半~40代での合計 70万2554人 男性が多い

となり、まさに結婚活動を行う主たる期間すべてにおいて、男性人口が女性人口を超過している状況が発生してしまっていることがわかります。

一部の結婚相談所等において「男性のほうが結婚したいと思っていないからで、それ自体は問題ないのでは?」といった意見も聞きますが、これは印象論といえます。

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