東芝・WHがつかんだ初の東欧「原発ビジネス」

ブルガリアで獲得した巨大案件とは

東芝とブルガリアの長年の関係も今回の受注にプラスに働いている。東芝グループは、チャイラ水力発電所の建設のほか、マリッツア・イースト2火力発電所や既存原発の改良工事にもかかわったからだ

着実に成果を上げつつあるWH買収

現在、東芝陣営の原発ビジネスは頭一つ抜けている。

06年には三菱重工業などとの争奪戦を経て、東芝がWHを約6200億円で子会社化。もともと東芝はBWR(沸騰水型軽水炉)の原発を扱う一方、WHはPWR(加圧水型軽水炉)を提供し、今や両炉に対応できるのは、東芝グループだけだ。世界ではPWRが主流でも、日本では長く、BWRとPWRが使われてきた。だが11年の東日本大震災に伴う福島原発事故で、国内での新規建設は望めず、原発ビジネスは海外市場に頼るしかないのが現状である。

世界の原発グループは、大きく三つ。東芝─WHグループ、日立─米ゼネラル・エレクトリック(GE)グループ、三菱重工─仏アレバグループだ。世界の運転プラント426基のうち、設備容量ベースでは約28%が東芝グループで、世界最大の納入実績を誇る。東芝の原子力事業の売上高は13年度で推定約6000億円あり、日立の約1100億円と比べても、圧倒的に多い。

パートナーのWHは、中国や米国など世界で4カ所8基を建設中の一方、東芝は現在、建設許可待ちの1基のみ。今回、ブルガリアでWHのAP1000を納入する際には、東芝製のタービンがセットで採用されそうだ。これがWHの買収前なら、たとえば中国では他社製タービンが使われていた。その意味でM&Aは着実に成果を上げつつある。

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