香港政府の統計局は8月18日、2021年5~7月の失業率が5%だったと発表した。直前の調査期間である4~6月から0.5ポイント低下した。5~7月の失業者の実数は19万8400人と、4~6月より1万4700人減少した。
失業率の改善について、香港政府の厚生労働長官を務める羅致光氏は「香港経済は引き続き回復基調にあり、労働市場も好転しつつある」とコメントした。
(訳注:香港は感染力が高い新型コロナウイルスの変異株の流行を封じ込めており、8月の新規感染者数は1日当たり数人の状況が続いた)
主要業種の失業率は、4~6月と比較すると多くの分野で改善。なかでも小売り、宿泊、飲食サービスなどの改善が顕著だった。とはいえ、飲食サービスの5~7月の失業率は8.6%と、4~6月期より1.4ポイント下がったものの、すべての業種のなかで最も高い水準にある。
電子消費券で「売り上げ5割増」の声も
そんななか香港政府は2021年6月、景気刺激策として市民に1人当たり5000香港ドル(約7万円)の電子消費券を支給すると発表。8月1日に初回分の総額110億香港ドル(約1540億円)の電子消費券が支給されると、小売業者からは「当日の売り上げが5割アップした」との声も上がった。
厚生労働長官の羅氏は、(新型コロナの流行封じ込めによる)自律的な景気回復に電子消費券の効果が加わり、労働市場の改善が今後も続くことを期待している。だが、世界では新型コロナの変異株の流行拡大が続いており、香港の先行きもまだ楽観はできない。
香港の労働市場は(新型コロナが発生した)2020年から急激に悪化し、2020年12月~2021年2月の失業率は7.2%と過去17年間で最悪を記録した。その後、香港政府の防疫・経済対策の効果で失業率は底打ちしたが、最新調査の5%という数字は(新型コロナ流行前の)2019年末の約3%に比べて依然高い水準にある。
(財新 駐香港記者:周文敏)
※原文の配信は8月20日
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