事故物件サイト「大島てる」が明かす運営のウラ側 日本の不動産業界に与えた大きなインパクト
「大島てる」を悪用するケースとは?
小野悠史:「ビッグコミック」に連載中の『正直不動産』に、事故物件サイト「大島てる」が実名で登場しています。不動産事業者にうその情報を書き込まれて、悪用されてしまってますね。
大島てる:悪用されてしまうことは、実際にあるようです。「大島てる」に批判的な人が、でたらめな情報を書き込んで「簡単に悪用できてしまうサイトだ」と発信しているのを見たこともあります。
夏原:悪用は論外です。だけど、うその情報が書き込めてしまうという点は、不動産業界は特に嫌がっていますよね。書き込まれた情報を運営側でチェックしてから公開するということはしないのですか?
大島てる:いたずらや誹謗中傷の文言があると書き込めなくなるシステムを導入しています。あとはボランティアの力を借りて、明らかな虚偽を目視ではじくこともやっています。ただ、すべての裏取りをしてから掲載することは難しい。あくまで、「大島てる」は書き込める場所を提供しているだけで、発信者ではない。それがわかるように、誤字脱字をそのままにしている場合もあります。
夏原:ウィキペディアや2ちゃんねると同じ論理ですね。
大島てる:もともと、ビル賃貸をやっていた時に事故物件情報がどこにもないことから、2005年に「大島てる」を始めました。それ以来、優先しているのはサイトを維持することです。発信者にならないというのは、訴訟リスクの点から外せません。
夏原:でも、事故物件として書き込まれた側は資産価値を毀損することになるから、黙っていないでしょう?
大島てる:事実と異なるなら、削除依頼をしてもらえれば書き込みは削除します。もちろん削除しても、一度書き込まれてしまえば取り返しがつかないと主張する方もいます。ただ、私は「大島てる」に資産価値を下げるほどの影響力があると思っていません。