シャープ片山氏引き抜く電産・永守氏の腹案 人格、人脈以外にあったカリスマの目の付け所
永守氏が売上高10兆円に向けたカギとして挙げていたのが、「人材」である。日本電産は永守氏が一代で築き上げたため、マネジメント層の不足が課題だった。
そのため、日産自動車のグループ会社社長だった呉文精氏を副社長にスカウトし、最高執行責任者(COO)を委ねるなど、外部人材を積極的に登用。自身が務める最高経営責任者(CEO)と、呉氏のCOOに次ぐ、CTOの人材として目を付けたのが片山氏だった。
シャープ歴代トップと懇意
日本電産はモーターの会社であり、片山氏は液晶の技術者。一見無関係のようにも思えるが、接点はあった。シャープは日本電産にとって「超重要な顧客の1社」(日本電産関係者)。実際、シャープ家電には日本電産製のモーターが数多く使われており、その取引の関係で、「永守社長はシャープの歴代トップと親しかった」(同)という。日本電産は今後、モーターの周辺分野に事業を拡大し、車載向けなどへの供給を増やす意向。「(片山氏には)いろんな分野で知見を活かしていただける」(同)と期待は高い。
片山氏にとっても、経営責任論がいまだくすぶるシャープに残るより、新天地に移ることで、ゼロから再出発できるメリットがある。すでに過去の人物になりつつあった片山氏だが、表舞台に返り咲き、どんな動きを見せるのか。目が離せない。
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