中国が地方政府の隠れ債務圧縮に向け動き出す 地方政府の隠れ債務14兆8000億元(約252兆円)

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中国が地方政府の「隠れ債務」圧縮に向けた長期的な取り組みを始めている可能性がある。景気回復で金融リスクへに対処する余力が生じている。

地方財政の分析によれば、1-6月(上期)の借換債発行と公債返済額との差は6680億元(約11兆3000億円)。

モルガン・スタンレーの中国担当チーフエコノミスト、邢自強氏(香港在勤)は、市や省が簿外債務の返済に調達資金の一部を充てている可能性があることを示していると指摘。簿外債務の減少は財政の透明性向上と政府の資金調達コスト低下、システム内の金融リスク軽減に寄与するとし、「経済にプラスの貢献となるはずだ」と述べた。

  

財政省が先月発表したデータによると、地方当局は1-6月に借換債1兆9000億元を発行したが、公債返済額は1兆2000億元にとどまった。

地方政府の「融資平台」(LGFV)など政府関連の事業体がインフラ整備など公共事業の支払いに充てるため調達した資金が隠れ債務と呼ばれており、政府のバランスシートに含まれない負債であるものの暗黙の政府保証があると見なされている。 

政府系のシンクタンク、国家金融・発展実験室の劉磊上級研究員は、昨年時点で地方政府の隠れ債務が14兆8000億元に積み上がっていると推計している。

原題:China Looks to Be Quietly Defusing a Hidden Government Debt Bomb(抜粋)

 

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著者:Bloomberg News

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