パラノイアの勝利! 半導体加工技術で独走する《戦うNo.1技術》

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 評価技術の厚みもある。「ウチは舌の肥えたシェフがそろうレストラン。料理(レーザー装置)の完成度が違う」と関家社長は胸を張る。

「切る・削る・磨く」に専念 “ハンパない”こだわり力

ダイシングソーに比べて、レーザー切断装置によるウエハの切断面は非常に滑らかだ。だが、表面上に欠けはなくても、ウエハの強度が落ちる可能性が残される。レーザーの出力を調整し、時間当たりの処理能力と歩留まりを高次元でバランスした装置を作るのに、「味を見極める能力」(関家社長)が生きてくるのだ。

LEDの輝度を落とさずサファイアウエハを加工できるステルスダイシング装置を作れるのは、今のところディスコ以外に存在しない。

80年代から90年代前半、ディスコは半導体の拡散炉など切削以外の分野に手を出し、巨額損失を出した苦い経験がある。これを機に97年、「Kiru・Kezuru・Migaku技術」をキーワードに自社の存在価値を定義、「ディスコ・バリューズ」を練り上げた。

企業理念の策定自体は決して珍しくない。ディスコのすごみは、決めたことは実行する徹底力にある。

たとえば「一級活動」と呼ぶ改善活動。「机の上一級」「あいさつ一級」「感謝一級」など、日々の活動を一級品に高めるというものだ。「机の上一級」では、一級に値する机とは、の議論に始まり、毎月の監査や抜き打ちチェックまで行う。そこまでやるか、と部外者をあきれさせるくらい、真っすぐ実行する集団だ。

インテルが世界の優秀なサプライヤーに贈るSCQI賞をディスコは10年連続で受賞している。同社アンディ・グローブ元CEOの「パラノイアしか生き残れない」という言葉を体現している会社なのだ。

■ディスコの業績予想、会社概要はこちら

(山田雄大 =週刊東洋経済2010年6月19日号)

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