トヨタ、北米販売好調で過去最高純益 第1四半期は2年連続で最高純益を更新
[東京 5日 ロイター] - トヨタ自動車<7203.T>が5日発表した2014年4―6月期の連結決算(米国会計基準)では、四半期ベースで営業利益が07年以来、7年ぶりに、純利益も2年連続で過去最高を更新した。
北米を中心に販売が好調だったほか、コスト削減も寄与した。期初計画通りに推移したため、15年3月期通期の連結業績予想は従来のまま据え置いた。
4―6月期の営業利益は前年同期比4.4%増の6927億円。トムソン・ロイターの調査によると、アナリスト13人の予測平均値は6373億円で、実績はこれを上回った。
純利益は同4.6%増の5877億円となり、4―6月期としても2年連続で過去最高となった。売上高は同2.2%増の6兆3906億円だった。
佐々木卓夫常務役員は会見で、4―6月の実績は、通期の営業利益予想2兆3000億円の達成に向けて「ほぼ想定のライン上にのっている数字」と評価した。アナリスト30人の予測平均値は2兆5320億円となっており、会社予想の上振れを見込んでいる。
4―6月期の営業利益に対し、原価改善効果で400億円押し上げたほか、為替変動の影響で300億円プラスに働いた。ロシアのルーブル安などがマイナスに響いたが、ドル、ユーロでの円安効果が寄与した。同期間の為替レートは、ドルが102円(前年同期は99円)、ユーロが140円(同129円)だった。
通期での前提為替レートは、ドルを101円(従来100円)、ユーロを136円(従来140円)にそれぞれ円安方向に見直した。通期の売上高予想は前期比横ばいの25兆7000億円、純利益予想は同2.4%減の1兆7800億円と従来予想通り。
<通期の販売計画は北米を上方修正、アジア下方修正>
4―6月期のグループ世界販売(ダイハツ工業、日野自動車を含む)は前年同期に比べて9000台増の224万1000台だった。日本が50万6000台と前年同期に比べ2万台減り、アジアで38万5000台と9000台落ち込んだが、北米は同2万1000台増の71万台、欧州も同1万4000台増の20万7000台となった。
佐々木常務役員は、国内市場について「7月はほぼ前年近くまで回復している」と指摘。ただ、軽自動車を除いた市場は前年を上回っているものの、軽を含むと前年を割っているため、「底を打ったと判断するのはまだ早い」と述べ、「引き続き市場動向を注視する」と語った。
一方、北米市場は堅調で、トヨタとしてはスポーツ型多目的車(SUV)などの販売が伸びている。今秋には主力乗用車「カムリ」の新型車投入も控えており、これまでの好調を反映し、通期の販売計画を上積みした。
通期での世界販売計画910万台は従来通りだが、地域別では見直した。主力の市場としては北米、欧州の販売計画を上方修正する一方、アジアで下方修正した。北米は271万台(従来は262万台)、欧州は86万台(同85万台)。アジアは158万台(同163万台)とした。インドネシアが想定を下回っていることなどを反映した。
4―6月期の地域別の営業利益率は、北米が6.6%(前年同期は4.9%)、欧州が1.7%(同0.9%)、販売が減少したアジアも9.2%(同8.6%)と改善した。
立花証券の林健太郎アナリストは「アジアでは台数が伸び悩んでいるものの、さほど利益率が下がっておらず心配するほどではなかった」と指摘、原価改善も寄与し、「おおむねポジティブな印象」という。
<14年の世界販売計画を下方修正>
トヨタは同時に、2014年のグループ世界販売計画を従来から11万台引き下げ、1022万台とした。国内販売は8万台増やして227万台とする一方、海外販売を795万台と19万台減らした。
国内は、消費増税前の駆け込み需要が想定以上に強かったものの、その反動減は想定より小さくなっているため、計画を上方修正した。海外についてはタイ、インド、ブラジルなどの「新興国が弱含みで推移している」(小西工己常務役員)ため下方修正した。米国は従来からの230万台程度を維持する。
*内容を追加して再送します。
(白木真紀 取材協力:杉山容俊 編集:内田慎一)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら