腐っていた犬飼貴丈を変えた「運命のダメ出し」 やりたい仕事は待ってるだけじゃ舞い込まない

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(写真:Woman type編集部)
犬飼さん:「このまま仕事を続けていけないかもしれない」とマネジャーに初めて本音を話したら、本格デビューに向けてこれからどうしていくか、一緒に話しながら考えてくれたんです。

その時に僕に足りないところは何か、といったダメ出しもあったんですけど、今まで事務所で腐っていただけの僕にはそれもすごくうれしかった。

自分一人で考えていても気付けなかったことを言ってもらえて、「これで何かが変わるかも」っていう希望が湧きました。

仕事を辞めようか、とことん悩んだからこそ浮き彫りになった「俳優がやりたい」という強い気持ち。「こうしたい」という気持ちを臆せず発信したことが、強力なサポーターを得ることにつながった。

「俳優:犬飼貴丈」から「職業:犬飼貴丈」へ

(写真:Woman type編集部)

そんな彼に、最大の転機が訪れる。それは人気俳優への登竜門と言われる仮面ライダーシリーズの2017年作品『仮面ライダービルド』のオーディションだった。

犬飼さん:これが最後のチャンスだろうと感じていたので、「落ちたら、今度こそ本当に辞める」くらいの気持ちでオーディションに挑んだのを覚えています。

審査員をまっすぐ見つめ、「1年間、僕に任せてください!」と大きな声で宣言。背水の陣でこのラストチャンスに臨んだ。

結果は、前述の通りだ。遂に、 『仮面ライダービルド』(テレビ朝日)の主演に抜擢され、実績をつくった犬飼さん。すると、次々にオファーが舞い込むようになった。

そんな犬飼さんの最新主演ドラマ『サレタガワのブルー』が現在放送されている(2021年7月時点)。「既婚者役は初めて演じた」と犬飼さん。

キャラクターの「裏設定」を理解することで、リアルな人間像を表現することにこだわった。

(写真:Woman type編集部)
犬飼さん:暢は一見、妻に裏切られた「かわいそうな人」に見えると思うんです。でも、僕は台本を読んだ時点で、彼自身がちょっと偏った考え方をする人なのではないか、という印象を受けました。

だから監督に彼の裏設定を確認してみました。犬飼くんは暢ってどんな人だと思う? と意見も聞いてくださって、キャラクター像を一緒に掴んでいきました。

彼ならどういう感情表現をするのか、何が彼らしさなのか、自分なりに考えて演じたので、ぜひ期待して見てほしいです。

そう言って穏やかに微笑み、本作への自信をのぞかせた。

また、今では俳優の「その先」も見据えるようになったと打ち明ける犬飼さん。次に目指しているのは「俳優:犬飼貴丈」ではなく、「職業:犬飼貴丈」だという。

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