中国と北朝鮮、本当の関係は?韓国で大論争

北朝鮮への中国の原油供給「ゼロ」をめぐる謎

韓国でも、「原油輸入がゼロだから、中朝間の対立は深刻」といった見方に懐疑的な態度を示す者も、このような例を主張の根拠としている。

韓国の大手紙『ハンギョレ』は8月4日付けでこの“ミステリー”を取り上げ、韓国で中朝関係の悪化を主張する根拠として、一つは原油輸入がゼロと統計上出ていること、次に7月初旬に中国の習近平国家主席が韓国を訪問したことを挙げている。特に習主席の訪韓は、中国の歴代国家主席が北朝鮮より先に韓国を訪問したことがなかっただけに、「核問題や昨年12月の張成沢処刑など、中国を怒らせたため」という理由にされてきた。

中朝貿易は例年通り、過去は核実験後も供給

データを見てみよう。中国税関の統計によれば、確かに2014年上半期(1~6月)の原油輸出額はゼロになっている。12年同期には3億3253万ドル、13年同は2億6540万ドルの実績と比べると、あまりにも対照的だ。

一方で、中国の北朝鮮向け輸出全体で見ると、13年1~6月は15億9210万ドル、そして今年14年1~6月は15億8218万ドルとほぼ横ばいの実績となっている。仮に原油がゼロであっても、貿易は前年と変わらない水準で行われているとも言える。

韓国で「中朝悪化論」に否定的な指摘の中には、これまで東洋経済でも取り上げてきたように「統計上ではゼロだが、実際には原油が供給されている」が大半を占める。無償支援は継続して供給されており、これは韓国政府当局者も認めている、と『ハンギョレ』は紹介している。さらに韓国統一省の関係者の言葉を引用して、「中国は北朝鮮との貿易で50万トンを供給し、これに相当する量の原油を無償で支援している。中国が北朝鮮社会に問題が生じない程度の原油を供給していると考えている」と述べている。

北朝鮮が初めて核実験を行った2006年、そして2回目を行った2009年には、それぞれ1カ月と4カ月間、原油の輸出を中国は中断したとされている。だが、今よりも状況はよくなかったにもかかわらず、北朝鮮経済にはそれほど大きな混乱は生じていない。2013年2月の3回目の核実験以降でも、北朝鮮経済はそれなりに上向いていることがデータからもうかがえる。

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