引退後もさらに挑戦「五郎丸歩」強い精神の作り方 ネガティブだった意識が変わった瞬間とは?
──緊張を受け入れるということですね。続いて、チームをまとめ上げるコツについて伺いたいです。五郎丸さんはワールドカップではバイスキャプテンとしてチームを牽引する立場でしたが、目標を綿密に立てるタイプですか?
五郎丸:ひと口に目標と言っても色々な種類がありますよね。
僕は目の前にある目標には全力で取り組みますが、いわゆる長期的なプランは立てていません。長期プランは予測不能な事態が起こった場合に、イチから練り直す必要がありますから。
それよりも短期的なプランをひとつずつ確実に積み上げていく方が合理的だと思ってます。
短期的なプランは自分でコントロールしやすいし、成果もわかりやすいので楽しんで実践できるので。
同じ時間を過ごすなら、クヨクヨするより笑っていたい
──そんな短期プランでも、予定どおりコントロールできないこともあると思います。そういったシーンを五郎丸さんはどのように乗り越えてきましたか?
五郎丸:誰もが生まれてから死ぬまでの時間を生きるだけ、という考え方がありますが、僕は“どうせ与えられた時間しか生きられないのなら、ネガティブに考えているヒマなんかない”って思ってます。だから、つねにポジティブに進む。たとえ失敗しても、その経験が次のステップの糧となる。ミスもチャレンジしたからこその結果であると前向きにとらえ、乗り越えるようにしているんです。
──そういったポジティブなマインドは、昔から変わらないのでしょうか?
五郎丸:いえ、子どもの頃はどちらかというとネガティブでした(笑)。結構クヨクヨ考え込むことも多かったと思います。でも、外国人選手と一緒に練習するようになって考え方が変わったんです。