KDDI田中社長、「Firefox端末は必ず出す」 シリーズ「これからの通信」 KDDI(後編)

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――高額キャッシュバックや、店頭販売された携帯電話についてのクーリングオフ適用などの議論も出ている。高額キャッシュバック競争が、販売店のモラル低下につながり、結果的に店頭で説明して販売したものでも誤認が多く、クーリングオフを義務付けなければ消費者を保護できない、といった議論につながっているようです。

キャッシュバックとクーリングオフ規制については、それぞれ別の話題だと思いますよ。キャッシュバックについては、やり過ぎが悪になることは確かにあります。既存ユーザーから得た利益を使って、新規顧客獲得のためにお金を使うのは不公平だという意見ですね。これはその通りですが、禁止となるとどうでしょう。過熱するのはよくありませんが、在庫一掃で古い端末を処分したい場合、それが欲しいというお客さんもいるのではないでしょうか。ただ、繰り返しですが過熱はいけません。

一方、クーリングオフに関しては、これまでもかなり説明を行い、文書でひとつひとつ理解したかをチェックしてもらい、納得の上でサインをして購入して頂いています。訪問販売や通信販売ならば、確かにクーリングオフ規制の対象になるかもしれませんが、店頭で確認をしてサインをもらっていても規制対象にするとなれば、代理店のビジネスには小さからぬインパクトがあるでしょう。

我々ができることは、きちんと説明して納得してもらった上で購入してもらえるよう、資料や販売店への説明をしっかりと行うことです。それは実施しているのですが、それでも事故が発生していることについては申し訳なく思っています。もっと徹底させねばなりません。

「Firefox端末は絶対に出します」

最後にひとつだけ、ぜひとも言っておきたい。色々なことを言われていますが、Firefox OS端末は絶対に売ります。出さないんじゃないか?と疑われていますが、必ずやります。これだけはしっかりと伝えておきたいので書いておいてください。僕はこれで、もっとコンテンツに近い人たちに、独自のアプリやサービスを作って欲しいんです。HTML5でアプリを書けるようになることで、単に使うだけのスマートフォンから、自分で何かを作れるスマートフォンになれる。そのハードルが一気に下がるんですね。そこに注目して、しっかりとやっていきたいと思っています。

――HTMLでのプログラミングが可能になると、グラフィックデザイナーや音楽アーティストなどクリエイティブ系のひとたちがプログラミングを交えたコンテンツ制作を始めました。それと同じようなイメージで、異なるクラスタのひとたちがスマートフォンに新しい要素を持ち込んで遊んでほしい、といったイメージでしょうか。

まだ詳しいことはお話しできませんが、我々としては、スマートフォンをただ使うだけでなく、スマートフォンを使って自分で何かを作れる。そんな環境を提供したいのです。そのためにクリエイターの方々とも話をしながら、最後の仕上げに取り組んでいきたいと考えていますので、楽しみにしていてください。

本田 雅一 ITジャーナリスト

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ほんだ まさかず / Masakazu Honda

IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、ネットワークサービス、インターネットカルチャー。テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフスタイル、および関連する技術や企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーするコラムニスト。Impress Watchがサービスインした電子雑誌『MAGon』を通じ、「本田雅一のモバイル通信リターンズ」を創刊。著書に『iCloudとクラウドメディアの夜明け』(ソフトバンク)、『これからスマートフォンが起こすこと。』(東洋経済新報社)。

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