外観の造形は、前型と似ており、一目でアクアと認識できる容姿だが、車体表面の抑揚や仕上げは明らかに上級車種の仕立てとなり、上質な小型ハッチバック車という憧れを抱かせる。
ダッシュボードも豊かな局面を織り込んだ造形のなかに、近年必要性を高めている大型画面が設置され、新しい時代のクルマの印象を強めた。
車体全長は前型と変わらないが、ホイールベースが5cm延長され、これが後席のゆとりに与えられているという。前型も後席にきちんと着座することはできたが、やや閉塞感があった。まだ実車に触れていないが、後席の居住性がかなり改善された様子に期待が持てる。
車体色について、初代はパステル調をひとつの特徴として華やかかつ軽やかな雰囲気が人気を呼んだ。新型では上質さを色でも示すように、落ち着きのある色合いが揃えられている。外観の造形だけでなく、上質さを強調する色遣いや手の込んだ室内の作り込みなどに、新たなアクアの価値を見出すことができる。
新型バッテリーの採用でプリウスを超える燃費性能に
プリウスやアクアに求められるのは、HVならではの環境性能で、またモーター駆動を採り入れることでエンジン車と異なる走行感覚や装備の充実もある。
環境性能において、新型アクアは前型に比べ、燃費性能を向上させている。前型がWLTCモードで17.2~29.8km/Lであったのに対し、新型は33.6~35.8km/L(ただし、35.8km/Lはリチウムイオンバッテリー使用)と、いずれも30km/Lを超えている。当然ながらこれらの数値は、プリウス超えの燃費性能でもある。
燃費改善には、ニッケル水素バッテリーの進化が関わっているようだ。新型では、バイポーラ型とよばれる電極を採用し、出力を約2倍に高めたという。これは正極と負極を互いに背面に並べ、効率よく充放電できる仕組みだ。小型化や内部抵抗の低減に役立ち、積載性や優れた充放電が可能になる。エンジンとモーター、燃料タンクとバッテリーというように部品点数の多くなるHVにうってつけの進化といえる。
ニッケル水素バッテリーの進化によって、モーター走行を従来に比べより高い速度まで維持できるようになり、日産のe-POWERドライブのような、回生を活かしたアクセルペダルによるワンペダルに近い操作が可能になっているようだ。ペダル踏み替えの回数を4割ほど減らせられるという(日産のe-POWERは約7割)。
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