英航空ショー出展、中小企業「匠の技」とは? 盛んな商談、航空機ビジネスに食いこむ好機に

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キットセイコーは金属切削加工を主とし、真鍮、アルミ、鉄、ステンレス、銅、チタン合金などの加工メーカーで、試作品や少量多品種生産を得意する。人工衛星おおすみや、宇宙探査機はやぶさでも当社の製品が使用されている。今回は人工衛星などで使用される特殊ねじなどを展示した。

大槇精機は二輪・四輪自動車用試作部品やレース部品、航空機試作部品、ロボット部品などを手がける精密金属加工の研削加工を得意とするメーカーで、IHIのロケット部品なども手がけている。

各社にはエアバスなど大手を含め、多くのコンタクトがあり、その中には具体的な商談もあったという。

オーエスジーも初出展

愛知県豊川市に本社を置く総合切削工具メーカー、オーエスジーも今回初めてファンボロー国際航空ショーに出展した。

同社は連結売り上げが約883億円、連結従業員数5118名で、内外に31カ所の事業所を展開している。タップとはめねじでは世界一のシェアを誇るメーカーだ。

今回のファンボロー航空ショーで同社は、カーボンコンポジット材、アルミ製のハニカム構造材などを加工するためのドリルなどを展示した。同社の切削工具は国内でも三菱重工など多くの航空関連メーカーで使用されているが、売り上げの国内外比率はおおむね7対3程度であり、今後海外の航空宇宙市場の開拓に力を入れていくという。

航空ショーはビジネスの色彩が強く、自慢の商品サンプルを航空機メーカーの調達担当者に見てもらう絶好の機会だ。商談が活発に行われる場である。世界をみわたすと、欧米だけでなく多くのアジア企業も、商魂たくましく、この展示会を活用している。日本からももっと多くの企業が参加し、存在感をアピールしていいのではないだろうか。

清谷 信一 軍事ジャーナリスト

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きよたに しんいち / Shinichi Kiyotani

1962年生まれ、東海大学工学部卒。ジャーナリスト、作家。2003年から2008年まで英国の軍事専門誌『ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー』日本特派員を務める。香港を拠点とするカナダの民間軍事研究機関Kanwa Information Center上級アドバイザー、日本ペンクラブ会員。東京防衛航空宇宙時評(Tokyo Defence & Aerospace Review)発行人。『防衛破綻ー「ガラパゴス化」する自衛隊装備』『専守防衛-日本を支配する幻想』(以上、単著)、『軍事を知らずして平和を語るな』(石破茂氏との共著)など、著書多数。

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