出産・育児で「お金と休み」はどれだけもらえるか 公的制度を使いこなす人はお得に子育てができる

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労働者が育児休業を取ると、事業主は賃金支払い義務が消滅しますが、その間は雇用保険から労働者に「育児休業給付金」が出ます。

支給額は育児開始から6カ月までは休業前賃金日額の67%相当額、それ以降は50%相当額です。育児休業は男女問わず利用できます。改正法による男性の「産休」の所得保障も、育休と同じように、休業前賃金の67%相当の給付金が支給されます。

この給付金は非課税です。また、育休期間中は社会保険料が免除になります。なので、実質的な給付金は休業前の手取りの8割程度というところでしょう。

厚生年金の保険料は免除、年金額にも影響なし

確かに収入が少々減ってしまいますが、長い目で見れば、育休中の賃金低下のデメリットは限られます。

というのも、産前産後の休業中と、育児休業期間中の厚生年金保険料は免除されます。それでも将来受け取る年金額には影響しません。つまり、年金額を計算する際は保険料を納めた期間として扱われるということです。また子供が3歳までの間、時短勤務などで賃金が低下しても、子供が生まれる前の、より高い標準報酬月額に基づく年金額を受け取ることができます。

少し古い調査ですが、内閣府の「国民生活白書」(2005年)によれば、大学卒業後に同一企業で正規雇用として働き続けた場合の生涯所得は平均2億7645万円になるのに対し、出産退職後にパート・アルバイトとして再就職した場合(子供が6歳の時に就職した場合)の生涯所得は平均4913万円となり、逸失率は82.2%と推計されています。出産後も制度を利用しながら働き続けるほうがはるかに得なのです。

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