五輪後の日本株は意外にも上昇する可能性がある 菅政権が注力すべきシンプルな「2つの課題」

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すでに五輪の競技は21日からスタート。期待値が低いだけに、今後世論の風向きがよい方向に変わる可能性もある(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

いよいよ東京オリンピックが始まった。8月24日からは東京パラリンピックが始まる。競技に挑む選手の全力のパフォーマンスで、世界的なスポーツの祭典を盛り上げてもらいたいと筆者は願っている。

菅内閣支持率低下でも政権交代はほとんど想像できない

一方、多くの会場で無観客開催となり、新型コロナ感染防止徹底を余儀なくされるなか、1年延期となっても、かなり景色が異なるオリンピックになりそうだ。さらに、直前になって組織委員会の選任スタッフを巡る不祥事、選手村などでのコロナ感染者が報告されるなかで、オリンピック開催を嫌悪する声も根強く、ヒートアップしている。多くの国民は、今回の東京オリンピックに釈然としない複雑な感情を抱いているようにも見える。

金融市場の視点では、秋口以降に総選挙を控え、オリンピックを挟んで日本の政治情勢が様変わりするリスクが最も懸念されている。7月中旬までアメリカ株市場は上昇基調が続いているが、4月以降の日本株がアメリカ株高に劣後している一つの要因が日本の政治リスクだろう。

2021年に入ってから、菅義偉政権は新型コロナウイルスの感染者数の抑制を優先、経済活動の停滞が長引いた。各種世論調査で内閣支持率は菅政権発足以来の低水準まで低下しているが、このまま総選挙を挟んで、菅政権発足1年余りで首相交代という展開も完全には否定できない。実際に、自民党の中の公認候補を巡る「内輪もめ」が聞かれ、自民党の幹事長人事などを巡る思惑もあり、自民党内の「菅おろし」が本格化するシナリオも想定される。

もっとも、内閣支持率は低下しているが「反対勢力」というパフォーマンスに徹しているとみられる野党に対して国民の期待が高まっているようには思われず、次の総選挙において野党への政権交代はほとんど想像できない。この意味で、今後政局が起こるとすれば、それは自民党内部の主導権争いが引き起こすのだろう。

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