電気自動車ベンチャーの米テスラへ投資したトヨタ、電気自動車で存在感を示せるか

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 テスラの大株主は、ネット決済のペイパル創業で巨万の富を得た38歳のイーロン・ムスク最高経営責任者(写真右端)。ベンチャー企業を尊ぶ西海岸では、最もホットな人物の一人である。ムスクが参加する講演会やイベントは、いつも満席になるほどだ。

現時点で米国で唯一のEVといえるテスラだが、米国内外でEVをめぐる自動車メーカーの動きは一段と活発になっている。

日産自動車は「テスラ・モデルS」より先にEV「リーフ」の量産を開始、2010年末には欧米でも発売する予定。日本勢だけでなく、米国メーカーもEVに力を入れている。GMは、電気駆動を主体とし電池が不足する場合にガソリン駆動を補助的に使うハイブリッド車「ボルト」を、年内に生産開始する。続いて、フォードも11年にEVを発売する予定だ。

ドイツ勢の動きも見逃せない。ダイムラーが電気自動車化された小型車「スマート」を世界市場に向け、12年を目指して量産に入る。ちなみにダイムラーも09年にテスラに出資(約10%)し、業務提携をしている。フォルクスワーゲンは小型車「アップ」をEV化し量産。BMWも13年をメドに小型の電気自動車の量産を予定している。

リコール問題に揺れるとはいえ、ハイブリッド車を武器に環境対応車市場で勝ち組の地位を強化したトヨタ。EVへ市場が変化する中で、勝ち組の地位を維持できるか、大きな転換点を迎えている。
(Ayako Jacobsson =東洋経済オンライン)

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