電気自動車ベンチャーの米テスラへ投資したトヨタ、電気自動車で存在感を示せるか
5月21日、シリコンバレーでトヨタ自動車とテスラ・モーターズが、電気自動車(EV)の生産開発等で業務提携することを発表した。今回のトヨタとテスラとの提携について、カリフォルニアでは新たに1000人の雇用が創出されるとあり、歓迎ムードだ。
アーノルド・シュワルツェネッガー州知事が提携発表の場に姿を現し、トヨタとテスラの提携をたたえた。特にGMとトヨタの合弁工場・NUMMI(ニュー・ユナイテッド・モーター・マニュファクチャリング)が閉鎖されたばかりのフリーモント市では、歓迎一色である。
テスラ・モーターズは1000万円以上の高級EV「ロードスター」をすでに世界で1000台以上販売し、2年後には約500万円のセダン型EV「テスラ・モデルS」を量産する計画を明らかにしている。
ハイブリッド車で成功する一方で、EVでは出遅れ感があるトヨタが、テスラとの業務提携で、EV事業に本格的に参入することになる。トヨタは出資比率2~3%に相当する約45億円をテスラに出資し、EVの生産は旧NUMMIで来年から開始する予定だ。
ところで、トヨタ社長・豊田章男氏がラブコールしたテスラとは一体、どんな会社なのだろうか。テスラは03年に設立されたベンチャー企業。現在、週に少なくとも15台以上のロードスターをカスタムメードで作っている。先端的なデザインの車を作る会社として、評判が高い。(関連記事■米国セレブに大人気の電気自動車テスラ・モーターズ)
ロードスターは世界中から調達した部品で作られている。たとえば、車台は英ロータス社、カーボンファイバー製のボディは仏ソラ・グループのソティラ社から。3.9秒で97km/hへと加速可能なリチウムイオン電池を作っているのは、日本のパナソニックだ。電池はEVの核技術とも言え、その意味ではテスラは日本企業とすでに縁が深い。