「仕事ができない人」に見受けられる8つの要素 論理的思考を養うにはどうしたらいいのか
入試としてこの問題が出題された背景としては、当時小学校で「円周率を3にするかどうか」という議論がありました。ゆとり教育が導入されたときのこの議論に対してのアンチテーゼの意味合いもあったのだと思います。日本一の大学の入試問題にこうした問題が出てきたということからも「定義を大切する」ということの重要さがわかるかと思います。
・1メートルってどうやって決められたのだろう
・なぜ何かの0乗が0じゃないのだろう
・なぜ分数の割り算ってひっくり返すのだろう
・なぜ掛け算や割り算の筆算ってあのように計算できるのだろう
このように1つひとつ何気なく普段使っている数字に対しても「なぜそうなったのだろう」と定義や、その仕組みをしっかりと考えることは論理的な思考力を鍛えることに直結するのです。
数学問題を解く「プロセス」が重要
ここまで辛辣に指摘してきた私ですが、実は私、完全に勉強から逃げていた時代がありました。高校受験に燃え尽きて高校生活ではまったく勉強はせず、試験は 456 位中 456 位のドベ。数学も 0 点を取っていたりと、完全な落ちこぼれだったのです。高校を卒業してからようやく大学受験の勉強を始め、2浪した末に早稲田大学に入学しました。
大学に在学中に始めた塾講師の仕事がきっかけで、その後の私は数学にどっぷりと浸かることになります。教え子のために予習、受験問題を研究する日々が続き、中学受験・高校受験の算数・数学にはかなり精通しました。その後シンガポールやロンドン、スロベニアなどで数学を教える機会があり、その都度自分に足りなかった数学の領域を勉強していきました。その勉強を忘れないようにしたいという意味もあって始めた動画投稿が、今に続くユーチューブ動画です。
私の動画では難関大学入試の問題や、私がオリジナルで作成した問題などを授業形式で解説しています。その多くは公式や定理をしっかりと理解した上で解いていきます。数学では問題を解く際、必ず上記で挙げた8つの逆を使います。つまり、どんな問題であっても、解答するプロセスでこうした思考を養っているわけです。
論理的に考えるとは言い換えれば、自分の頭で考えるということでもあります。世の中では数学のように決まった答えがつねにあるわけではありません。そこには自分で考えて、自分が正しいと思った答えを見つけていくほかないわけです。
「やり方」だけを覚えていても、目の前に立ちはだかる問題はつねに同じではありません。今の時代なんて最たるものでしょう。そんなときに自分らしい答えを、自信を持って提示できるようになるためにも、数学を学ぶということは非常に意義のあることだと思います。
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