企業・団体献金の全面禁止は譲れない(上)
政治とカネに対する国民の怒りが、かつてないほどの高まりを見せている。筆者も、民主党の国会議員として、この問題を看過することはできず、2月に民主党参議院議員有志による研究会を立ち上げ、また、3月の予算委員会では鳩山首相に直接質問をぶつけさせていただいた。
1994年の細川政権以降、幾度も政治改革が唱えられてはきたものの、相も変わらず政治の舞台では巨額な資金が動き、それが国民の目にはあまりにも不自然に映り、「政権党だけでなく政治家全体への信頼の低下」につながっているのである。
政治とカネの問題を根本から正すには「企業や団体から政治への寄付を全面禁止」するしかない状況にある。この切迫した事態を明らかにするため、企業・団体献金に関する歴史や海外の事例、国内の声、禁止に向けた具体的スケジュールと、代替案としての個人献金の促進について考えてみたい。
これまでの歴史~なぜ禁止できなかったのか
まずは表を見ていただきたい。政治とカネ問題に関する、これまでの歴史をまとめてみたものだ。判で押したように、汚職・疑獄事件(黄色)と政治資金規正法改正(白色)が繰り返されてきたことがわかるだろう。
出典:国立国会図書館政治議会課データより藤末健三事務所作成
実は最初期1961年の第一次選挙制度審議会答申において、「会社、労働組合その他の団体が選挙又は政治活動に関し寄付をすることは禁止すべき」と高らかにうたわれていた。
つまり、50年前にすでに、企業団体献金の禁止は提言されていたのである。にもかかわらず、毎回毎回政治家にとって都合の良い抜け穴を作るばかりで、問題の根本的な解決にはなってこなかったのである。