「GU」が話題の赤ちゃん番組とコラボした深いワケ テレ東「シナぷしゅ」Tシャツが大人気で即完売
GU babyは2月にデビューしていたが、シナぷしゅとのコラボ商品は6月3日に販売を開始した。
「私たちの予測を遥かに超える売り上げになりました」と平松氏。大成功と言っていいだろう。売り切れになるほどのヒット商品になった。テレビ東京の放送エリア以外でもよく売れたのが興味深い。
「YouTubeでシナぷしゅを見ている方が多いのでしょう。逆にシナぷしゅのコンテンツ力の強さを感じました」
面白いのが、広告媒体としての番組はあまり意識していなかったことだ。
「YouTube限定のコラボコンテンツを制作したらすごくいいものができて、これでCMを作れますよと提案したら採用いただき、急きょ流すことになったのですが、商品が売り切れになってしまってオンエアを断念。幻のCMになってしまいました」と飯田氏。
「これは服と映像のコラボです。映像に出てくる服を、実際に身につけることができることも、多くのお客様にご好評いただけたポイントの一つだと思います」と平松氏が言うように、今回のコラボの価値を象徴する映像になった。
テレビ局の制作者と仕事をした意義
テレビ局の制作者と仕事をした意義を、平松氏はこう語る。
「コンテンツを誰でも作れる時代ですが、プロの作り手にはこだわりや哲学があり、簡単には真似できない。企画力、発想力があると同時に赤ちゃんへの思いがある。だから今回、キャラクター使用より、仕事を一緒にすることに価値があったと思っています」
飯田氏は、信頼関係が築けて光栄に思ったと言う。
「洋服の素人のくせにデザインに意見を言ったら、受け止めて形にしてくれました。互いにリスペクトがあったと思います。GU babyの発表後、新たなお問い合わせをいただいていますが、みなさんが“一緒に考えたい“と言ってくださるのがうれしいです」
私は1980年代に広告業界に入ったが、世はバブル期。広告代理店やテレビ局が浮かれながら「スポンサー様!」とかしずくのを奇妙に思っていた。マンガ「気まぐれコンセプト」で代理店の営業マンが靴にビールを入れて飲むのは、本当にやってるんだと教わって引いた。
「GU baby×シナぷしゅ」のコラボは、テレビ番組と企業の新しい関係の端緒だと解釈している。テレビ局の価値はCM枠ではなく番組そのものにある。番組を真剣に、情熱を込めて作っていると、通じ合える企業とつながれるかもしれない。この例を参考に、あちこちで企業とコンテンツの新しい関係が生まれればいいと私は願っている。
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