6月28日午前、中国南西部に建設された「白鶴灘水力発電所」が操業を開始した。今回稼働したのは同発電所に最初に設置されたタービン2基だ。すべての発電設備が完成すると、白鶴灘水力発電所の総発電設備容量は1600万kW(キロワット)に達し、長江の中流域にある「三峡ダム」に次ぐ世界第2位の水力発電所となる。
白鶴灘水力発電所は、四川省と雲南省の省境を流れる金沙江をせき止めて作られた。三峡ダムの運営母体である国有電力大手の中国長江三峡集団が建設にあたり、投資総額は2200億元(約3兆7708億円)。ダム本体は2017年7月に着工し、2022年7月までにすべての発電設備の稼働を予定している。
なお当初の計画では、発電した電力は主に沿海部の江蘇省と浙江省に送電することになっていた。しかし、現時点では江蘇省への超高圧直流送電線はまだ建設中で、浙江省への送電線は建設許可が下りてない。
将来的には中国長江電力に資産を移す
そのため、今回稼働したタービンの電力については、その一部をほかのルートで送電することになった。具体的には、6月21日に完成した四川省と江西省を結ぶ超高圧直流送電線を利用する。ただし、このルートは本来の計画では目下建設中の別の水力発電所が使うことになっており、今回の措置は一時的なものとされている。
中国長江三峡集団の子会社で上海証券取引所に上場している中国長江電力の投資部門の関係者によれば、将来は白鶴灘水力発電所の(発電設備などの)資産は中国長江電力に移管される予定だという。「時期や方法、評価額などは検討中だ」と、この関係者は明かした。
現在、中国長江電力は三峡、葛洲壩、渓洛渡、向家壩という4カ所の水力発電所を運営している。同社の総発電設備容量は2020年末時点で4549万5000kWに達し、中国全土の水力発電設備容量の12.3%を占める規模になっている。
(財新記者:陳雪婉)
※原文の配信は6月28日
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