経済成長鈍化予見するリフレトレード急速な後退 経済データのピークが相次いで確認される

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今年に入って債券価格を下押しし、株価指数を何度も最高値に押し上げ、長らく動きが鈍かった割安株を再び活性化させたリフレトレードがここにきて急速に後退している。

その原動力になっているのは債券市場だ。指標の10年物米国債利回りは7日、1.3%を割り込み、物価上昇の影響を除いた実質金利はマイナス1%を下回った。成長見通しに対する失望感の広がりを示唆するものだ。こうした流れを受け、ハイテク株の比重が大きいナスダック100指数は最高値を更新した。

米10年債利回り一時1.3%割れ、2月以来の低水準-既に頭打ちとの見方

こうしたさまざまな資産の動向を見ると、リフレトレードの最盛期は過ぎ去ったたとの見方が市場でますます強まっていることがうかがえる。上期は景気急拡大で割安株が復活したが、その後、「成長のピーク」を巡る懸念が浮上。一時はハイテク株の下落要因となったインフレ期待も落ち着いている。

米金融当局のタカ派的な姿勢や新型コロナウイルスの新たな変異株が世界各地で拡散する状況も相まって、確実に信頼できる銘柄に再び市場の関心が集まっている。

ジョン・ハンコック・インベストメント・マネジメントの共同チーフ投資ストラテジスト、マット・ミスキン氏は「4、5月と6月にかけて、経済データのピークが相次いで確認されており、さまざまな資産にその影響が出ている」とした上で、数字は「まだ伸びているが、そのペースは減速しており、市場はそれを織り込みつつある」と語った。

米供給管理協会(ISM)が6日発表した6月の非製造業総合景況指数は市場予想を下回った。外食や宿泊、旅行といったサービスに対する需要の底堅さをなお示唆しているものの、全体として活動拡大ペースの鈍化を示した。データが予想を上回るか下回るかの度合いを測るシティグループの経済サプライズ指数も2月以来の低水準を付けた。

米ISM非製造業景況指数、予想以上の活動鈍化-雇用が縮小圏 (2)

シティー・インデックスのシニア金融市場アナリスト、フィオナ・シンコッタ氏は「経済活動再開で累積需要が解き放たれたが、再開に伴う上昇基調への追い風が弱まりつつある」と分析。投資家は今、「米金融当局が次にどう動く可能性があるのか」に注目していると述べた。

米国のワクチン接種率上昇に伴い経済再開銘柄として一時人気だった小型株も痛手を受けている。小型株で構成されるラッセル2000指数は最近、S&P500種株価指数のパフォーマンスを下回っており、「iシェアーズ・ラッセル2000ETF(IWM)」の空売り残高も今年の高水準に達している。

原題:The Great Reflation Trade Is Buckling All Across Wall Street(抜粋)

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著者:Claire Ballentine、Katie Greifeld

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