日立製英国車両「亀裂発生」、その後どうなった 「乗客への情報提供」当局は評価、肝心の原因は?
レビューでは、設計、製造、メンテナンスなどの技術分野、関係するステークホルダーによる協力、検査、メンテナンス、修理、是正措置への責任といった多方面について徹底的に調査を行い、それぞれの分野をいかに改善できるかを検討するという。
ORRのジョン・ラーキンソンCEOは今回のレビューの実施について、一義的には「再発防止に向けての重要なステップ」としたうえで、「技術、プロセス、さらに契約の問題なども含む広範な内容について、安全確保ができているかどうかにフォーカスする」「利用客に対する適切な情報の公開、補償ができていたかどうかについても検証する」と述べている。
トラブルが明るみに出た当初、同型車両を最も多く保有しているGWRのメインターミナルであるロンドン・パディントン駅で、鉄道関係者は「こうした運休がいったいどのくらいの期間続くことになるのか見当がつかない」と途方に暮れていた。
しかし、駅に来たところで運休を知って路頭に迷うといった旅行者の姿がまったく見られなかったことは大きな驚きだった。ロンドンから西方向に向かう長距離列車のほぼすべてが発着する同駅は、コロナ禍といえども一定数の旅客需要がある。
利用者への情報提供は「合格」
ORRは、今回の亀裂トラブルに起因するさまざまなレビューを進めており、その一環として6月25日、利用客への影響に関する調査結果を発表した。その中で、亀裂により列車運行に影響を受けた鉄道4社による旅客への情報提供については「十分にできていた」との高い評価を与えている。
評価対象となった項目は大きく分けて次の4項目からなる。
・代替ルートの手配に関するアドバイスや代替経路の告知
・サードパーティの小売業者(アプリによる発券)の払い戻し
・ウェブサイトでの「混乱への注意喚起」の告知
ORRは、今回のような「予期せぬ事態が発生し、問題が広範囲に及ぶ場合は、情報を最新の状態に保つことが非常に難しい」と指摘し、「運行オペレーター各社が適切に対応、予約済みの利用客と迅速に連絡を取るなどのサポートの実施」について評価している。
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