コロナ禍の飲食「ラーメン店」「焼肉屋」が安全な訳 安全な店とそうでもない店にある決定的な差

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また、店の中で大きな音量で音楽や番組を流しているようなお店、騒音の大きいお店には注意が必要です。客同士の会話が自然に大声になっていき、それだけリスクは高いと見た方がいいからです。お店側もそういった面にも注意を払うべきです。

店の中で一番安全なのは、空気清浄機の吹き出し口からの風が感じられるような位置、次に小さなラーメン屋さんとかお好み焼き屋さんで、目の前に大型の換気扇がつり下げられているようなカウンター席や、風が感じられる出入り口に近い席。ただし、カウンターと目の前の厨房が仕切られていないことが大前提です。

初めての店に入ったら、まずは換気を確認しましょう。窓からの換気、それがなければ、大型空気清浄機と換気扇を季節に合わせて、風の流れを計算して、上手に組み合わせて使っているか。こういう店ならひとまずは安心でしょう。

「屋外」で安全を確保するには?

バーベキューでもクラスターが出たので「バーベキューが悪い」と犯人扱いされていますが、バーベキューそのものは、まったく悪くありません。普通は、戸外は風があるので排出されたエアロゾルは滞留しません。その上、バイキングや大皿料理も含めて、食べ物から感染する可能性はまずありません。

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ただし、お酒を飲んだりして人との距離が近づいた状態でマスクを外して騒ぎ続ければ、たとえ屋外でも、密になった人の輪にエアロゾルが溜まる状態ができ、感染のリスクが生じます。これは何も、変異株を持ち出してきて言うことではありません。

屋外のビアガーデンも同じこと。限られた空間に、1人でも多くの人に入ってもらうことが大切だった時代はもう終わりました。これからはゆったりと余裕を持った席の配置で、風がよく通る店が受け入れられるはずです。経営者は、風通しのよさを意識して営業しましょう。

西村 秀一 国立病院機構仙台医療センター臨床研究部ウイルス疾患研究室長

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にしむらひでかず / Hidekazu Nishimura

1955年山形県生まれ。専門は呼吸器系ウイルス感染症、特にインフルエンザ。呼吸器系ウイルス感染症研究の日本における中心人物のひとり。

1984年山形大学医学部医学科卒業。医学博士。同大細菌学教室助手を経て、1994年4月から米National Research Councilのフェローとして、米国ジョージア州アトランタにあるCDC(疾病対策センター)のインフルエンザ部門で研究に従事。1996年12月に帰国後、国立感染症研究所ウイルス一部主任研究官を経て、2000年4月より現職。著書に井上亮編『新型コロナ「正しく恐れる」』がある。

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