2011年以降、小田和さんは複数本のブログを開設する。自作のジョークを載せていく「ユーモアどっと笑む」を皮切りに、女子アナデータベースからこぼれた関連情報を載せる「女子アナ真面目情報」、データベース情報をまとめた「女子アナデータブログ」などを次々にスタート。のちに現存する唯一のブログとなる「クール!だね、ジャパン」は一連の流れの最後に追加された。
ただ、それらのブログにはコメント欄が最初からなかった。メールアドレスやTwitterアイコンは見られるものの、読者からの反応はサイト上になるべく残さない方向に舵を切った感がある。「ユーモアどっと笑む」のプロフィール欄にはこういう断り書きがあった。
それでも、毎日自分のサイトを更新する習慣は肌に染み込んでいる。だからその後も普段どおりに、女子アナ関連の情報をチェックし、クスッと笑えるジョークを作り、海外サイトを巡回して日本の出来事に関する反応を拾い集める。そんな日々を淡々と続けていたのではないか。そしてこの閉じたサイクルが、いまに残る「クール!だね、ジャパン」の独特の孤独感につながっているのではないか。と、そう思えた。
「さようなら! 2013年8月22日更新停止」
毎日の習慣を終わらせたのは、2013年8月に発覚した体の異変だ。がんが発覚した時点で「クール!だね、ジャパン」以外のブログはすべて閉じ、「女子アナデータベース」には次のようなメッセージを載せた。
もう生きては退院できないと告知されています。
残念ですが、覚悟を決めました。励ましのメールは私の心の負担になるばかりなので、外しました。
もし数ヶ月後に生きていたら、ここに経過を書くかもしれませんが、いずれにしても死は免れません。
さようなら!
2013年8月22日更新停止>
励ましのメールが「心の負担になるばかり」というのは、インターネット上でのコミュニケーションを求めなくなった小田和さんらしい本音にみえる。メールアドレスも「小田和朗」の表記もこれを境に外していることから、小田和さんは主立ったインターネット上の活動はここでピリオドを打ったのだろう。
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