SBIも巻き込まれた「太陽光ベンチャー」倒産の顛末

失われた「ソーシャルレンディング」への信頼

テクノ社は2009年12月、代表の生田尚之氏によって設立された。軟水製造装置、超小型浄水装置、海水淡水化浄水装置を扱うほか、食品関連の特許技術をヒントに、ボタンひとつで様々な食材を調理して提供できる「デリシャスサーバー」を販売。

第1期決算で2億円超の売上高を確保し、地元のテレビ番組で取扱製品が紹介されるなど、新興のベンチャー企業として注目を集めた。

2012年12月には、テクノ社の環境事業が神奈川県の経営革新計画の承認を受けたほか、同じ頃には、東日本大震災後の市場拡大を背景として太陽光発電事業に本格参入。年売上高は設立4期目の2013年11月期には10億円台に乗せ、2年後の2015年11月期には100億円を突破した。メガワットクラスの太陽光発電設備の販売が業績を大きく押し上げた。

業容拡大にあわせ、2015年には本社を横浜ランドマークタワー19階に移転した。管理体制強化を目的に外部から経験豊富な役員を招聘し、2017年には「2018年中の東証マザーズ上場」を目標に監査法人・幹事証券会社を決定。

地銀系ベンチャーキャピタルや上場会社、神奈川県の第三セクターが増資を引き受けた。全国紙やテレビもテクノ社の取り組みをたびたび取り上げるなど、株式上場は現実味を帯びつつあった。

そして、2018年11月期の年売上高は前期比37%増の約160億円にまで伸ばしていた。

急成長の裏で…

このように書くと、ここまで順風満帆に成長し、何ら問題がなかった会社のように映るかもしれない。だが、資金繰りの厳しさ、それに伴う取引先に対する支払いぶりの悪さはこの間も業界内で囁かれ続けた。

当時、筆者が同社に取材したところ、そうした噂を否定していたものの、この頃のテクノ社は「人材面の補充・教育が追いついておらず、取引先の与信管理も甘い印象があった」(取引先)という。成長スピードに体制整備が追いついていなかったと見られる。

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