熱波で死者も、北米襲うヒートドーム現象の恐怖 猛烈な暑さと高温は7月4日まで続く見通し
アメリカ国立気象局(NWS)が6月29日、ワシントン州やオレゴン州のほぼ全域に向けて7月4日までとなる新たな高温警報を発令した。ペンシルベニア州フィラデルフィアから、マサチューセッツ州ボストンまでのアメリカ北東部にも高温注意報が発令されている。これらの熱波に関して知っておくべきは以下の通りだ。
「ヒートドーム現象」とは何か
熱波の原因とは?
NWSによると、アメリカのほとんどの地域では、連日の暑さを「熱波」と称するには、気温がその地域の過去平均を上回る日が2日以上必要となる。だがこの定義は地域によって異なり、北東部では華氏90度台かそれ以上の気温が3日以上続いた場合と定義付けられている。
熱波とは大気圏の高気圧が流れ込み、暖かな空気が地面に向かって押し寄せることで始まる。その空気が気圧の上昇で暖められ、私たちは非常に暑く感じられ始めるのだ。
地面に押し付けられた高気圧は垂直に広がり、その他の気象配置の進路を強制的に変える。風や厚い雲でさえも抑えられ、より一層暑苦しい空気になる。これが、熱波が同じ一帯に数日かそれ以上とどまる理由ともなっているのだ。
ヒートドーム現象とは?
熱せられるにつれて地面から水分が奪われることで、より熱されやすくなっていく。そして干ばつに苦しむ西部地域には、高気圧によって閉じ込められる熱が十分にある。
その閉じ込められた熱の上昇が続く中、気象配置はポットの蓋のように機能する。それが「ヒートドーム現象」の由来だ。太平洋岸北西部では熱と干ばつが同時に発生している事で問題を悪化させており、最高気温記録が日々更新されている。
現在北米で熱波に見舞われている地域は?
NWSによると、大陸で28日に最も暑かった街は、ポートランドの南西45マイルに位置するオレゴン州セイラムで、午後には最高気温が街の過去最高記録である華氏117度(摂氏約47度)に達した地域だ。